【結果】指定語「人」

※次のような並びで掲載しています。
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 句  獲得点 特選数・正選数
 作者
 ◎特選に選んだ人 ○正選に選んだ人
 選評

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1.すれ違う大人はみんな顰め面 2 0・2
作者:allex
○まろのゆき、流川透明

・自分がいつも顰め面だから。(まろのゆき)
・たとえばお祭りなんかで、子供は楽しそうにしているのに、大人は付き合いで来ていて、暑いし混んでるしかったりーとか思ってるんだろうなあと想像しました。(流川透明)

2.百万羽のフラミンゴと百人の政治家を空から見る 1 0・1
作者:ニレ
○タケウマ

・「百万羽のフラミンゴと百人の政治家」を空から見たのか、「百万羽のフラミンゴ」と一緒に「百人の政治家」を空から見たのか、迷いました。百万羽のフラミンゴとともにいる百人の政治家の図というのも、百万羽につつかれている百人とか考えると面白いですが、百万羽のフラミンゴと一緒に空を飛ぶ図のほうが楽しそうですね。せっかくフラミンゴと一緒に空を飛ぶのであれば、政治家なんか見なくてもよさそうな気もしますが、まあ、楽しいことだけではないのが、人生なのでしょう。よくわかんないけど。(タケウマ)

3.新涼のうしろの正面人面魚 5 2・1
作者:タケウマ
◎畦道、allex ○泉

・振り返ればじっと見ていた人面魚。ユーモアと不気味さのバランスの妙。(畦道)
・何かの行事の席なのでしょう。真後ろに座っている方が、まるで人面魚のような顔立ちなのでしょうね。どんな場面なのか?人面魚の人って?半漁人としないところにも意味がありそうで面白いです。(allex)
・「新涼」と「人面魚」が一緒にかごめかごめをしているとは。/si/と/zi/、/ryou/と/gyo/という音の繋がりぐらいしか共通点らしきものはないのに。ナンセンスなファンタジー。韻文という奇跡。(泉)

4.宇宙人の顔文字を深読みしている 4 0・4
作者:シロマ
○天坂寝覚、流川透明、京介、タケウマ

・顔文字にしても絵文字にしても、送る側には何の気がなくても、送られた側はその意味を必死で読み解こうとしてしまいますよね。けれどわざわざ「深読み」と言ってしまうのは、実は何の意味も無い顔文字と気付いていながら、それでも好意的な意味を読み取ろうとする自分がそこにいるからなんでしょうか。その様が健気でいじらしいです。(天坂 寝覚)
・送った方には深い意味なんてないんだろうに、ぐるぐる考えちゃってる感じが想像出来て面白いと思いました。(流川透明)
・宇宙人は「わけわかんない人」を表してるのだと思う。わけわかんない人の顔文字をストレートに捉えていいものかどうか。捉えていい筈はない。毎回、こういう相手とやりとりするときは深読みせざるを得ない。そういった人間関係の煩わしさが感じられる。(京介)
・宇宙人の顔文字とは、どんな顔文字なのでしょうか? (●◎●)<ワレワレハウチュウジンダ>こんなのとか、―(ФwФ)(ФwФ)(ФwФ)ー 宇宙人三兄弟>こんなのをネットで拾ってきましたが、作者が深読みしたという顔文字がどんな顔文字なのか、あれこれ想像するのが楽しい句でした。いや、知りたくはないんですよ、本当のところは。わからないままのほうが面白いですね。(タケウマ)

5.風呂に浸かって善人の顔になる 7 0・7
作者:うぐいす
○mekekeke、フロヤマ、ニレ、元気な人、かもせり、玉虫、シロマ

・湯船に浸かった瞬間はまだ湯と肌が馴染んでないので少し険しい顔になりますが少しして馴染むとふにゃ〜っとほぐれて確かに善人顔になりますね(笑)暑い日が続いて面倒くささからシャワーで済ましてばかりでしたが久しぶりに湯船に浸かろうかなと思いました。善人になりに。(mekekeke)
・“水に流す”語源は別のところにあるかもしれませんが、この言葉が思い起こされました。日本人ほど風呂好きな国民は他に例をみないという話を聞いたことがあります。風呂に入ったら気持ち良くなって怒りさえも水に流してしまう。海外から見ればお人好しとも言える日本の国民性をも捉えているように感じました。(フロヤマ)
・なるほどなぁ、と思いました。あの心地良い顔を善人の顔と言うとは、今まで知らなかったことを新たに教えてもらったような気分です。スパっとした潔い感じのまとまり方も好きです。(ニレ)
・悪い人ですね。目の付け所も。でもそれが人間。なにも間違っちゃいないと思います。(元気な人)
・入浴するときはゆっくりのんびり、できれば湯船で足を伸ばしたい。我が家の湯船は小さいからなかなか善人の顔になれません。「顔になる」がいいですね。もしかしたら入浴前は悪人の顔だったかもしれないですが、顔は感情の玄関なのでいろいろな顔になるのも生きていればこそなのでしょう。(かもせり)
・苦労の多いおじいさんが何故か浮かびました。普段はしかめっつらしてるおじいさんがお風呂でふっと微笑む、みたいな。抱き締めたいおじいさんです。(玉虫)
・どんな人にも気の緩む瞬間がある、普段忘れてしまう人の愛おしさ、それに気づかされます(シロマ

6.このコンクリ流しダムダム人に違いない 1 0・1
作者:泉
○畦道

・まさかこんなところにダムダム人が現れるとは。(畦道)

7.蝉時雨かなかな浴びて亡き人思う 4 1・2
作者:玉虫
◎まろのゆき ○ロケッ子、シロマ

・大好きだった伯父を思い出して、泣きそうになった。(まろのゆき)
・外の騒がしさと心の中の静けさが対比されているようで、大切な人を失った寂しさが伝わってくる。かなり昔に亡くなった方なのかも。(ロケッ子)
・蝉の声は思考をトリップさせます。蝉時雨のなかを歩いていると本当に現実にいるとは思えません。(シロマ

8.懐かしい人と会う秋めく夜だ 5 1・3
作者:フロヤマ
◎可児 ○mekekeke、天坂寝覚、かもせり

・数年ぶりに会うあの人はどんな姿で現れるのだろう。秋めく夜の心はときめいていますね。自由律でなければ詠めない世界を感じました。(可児)
・穏やかだけど少しドキドキするようなそんな時間を感じました。いいなあ、そんな時間を過ごせるって…。何だかお酒飲みたくなるような句だなあと感じました。冷や酒なイメージです。(mekekeke)
・懐かしい人がどんな人なのかわかりませんが、秋で夜ですから、それはもうロマンチックな再会でしょうね。あるいは秋まで一気に読んで、そんなような夜だ、ということでしょうか。どちらにしてもロマンチックですが、後者のように読むと、そこに少し寂しさも混ざってくるような気もして好きです。(天坂 寝覚)
・四月頃から会う約束をしていながらお互い忙しくてなかなか果たせず、ようやく今の時期に久々の再開を果たしたような、そんな印象を受けました。(かもせり)

9.人の事 羨む我も 羨まれている 1 0・1
作者:なかぎり
○まろのゆき

・なんだかんだ言っても、自分だって、人にはない何かを持っているはず…と思いたい。(まろのゆき)

10.嫌いな人に嫌われた 6 1・4
作者:流川透明
◎mekekeke ○元気な人、可児、うぐいす、allex

・「う、うあああああああああああ(ごろんごろん)」と悶える感じがして、全然そんなことないのに何だか妙な敗北感を感じずにはいられませんでした(笑)お互い嫌ってるってなんだかんだ言ってお互い意識し合ってるってことですよね。誰かを嫌うのって結構エネルギーを要するように思うんですが、更に相手に嫌われたことも察しているこの方は、結構エネルギッシュな方のように感じました。(mekekeke)
・人間の不条理を端的に言い表してると思います。それ以上でもそれ以下でもない、という感じ。(元気な人)
・嫌いな人に嫌われるのは、なんか癪にさわるのです。言葉の外側にストーリーを感じさせる句だと思いました。(可児)
・嫌いな人なんだから、嫌われたって痛くもかゆくもないはず。でも内心は、嫌いな人にも好かれたい。自尊心の現れでしょうか。(うぐいす)
・大抵の場合、嫌いな人は相手も嫌っているものですが、改めて言われると何か残念に感じつつ、そうだなって思います。(allex)

11.歳も言えないのか人見知りの子 6 1・4
作者:畦道
◎ロケッ子 ○泉、まろのゆき、かもせり、なかぎり

・冷めた目線。あらあら恥ずかしくって何も言えないのねぇ、ほうらこのお菓子をあげましょうねぇといった優しさがまったく感じられない、大人の句。冷たくていい。(ロケッ子)
・俺も小さい頃人見知りだった(と親から聞いている)ので身につまされます。歳を答えるどころか指で歳を表すこともしなかったとか。言葉も遅く、両親は本気で「この子は馬鹿なんじゃないか」と心配したそうです。でも、大丈夫。今は何とか普通です。あまり神経過敏にならない方が良いですよ。(選評になってませんね、ごめんなさい)(泉)
・「そうは見えない」って言われるけど、自他共に認める人見知りだから、子の気持ちが痛いほどわかる…。(まろのゆき)
・女の子だったのでしょうか。女性に年齢を訊くなんて…と考えていたのかもしれません。人見知りを演じていることもあったり、子供はなかなか侮れないです。(かもせり)
・息苦しいほどの思いがあるのに、聞かれたことの答えは準備してあるのに、人にめんとむかえない子供。自分と重なる。(なかぎり)

12.憧れたのは人妻らしいさやえんどう 10 2・6
作者:かもせり
◎泉、京介 ○ロケッ子、ニレ、玉虫、うぐいす、allex、タケウマ

・「さやえんどう」を改めて画像検索しましたが、人妻成分は薄いように思いました。もしかして「遠藤沙耶」という名前の人妻なのかなあ。よく分からないなあ。不思議な御句だなあ。…でも、声に出して読んでみると、この御句が一番好きになっちゃったんですよね。不思議だなあ。でも、韻文なんだから、それが一番!(苦笑)(泉)
・「さやえんどう」は「えんどう」になるまえの未熟さを感じる。人妻は熟女ではない未熟女。未熟女の人妻に憧れたのだろう。若い人妻。もしかしたらかなり若いかもしれない。不倫でしかもロリコンとも言われかねないが「ただ憧れたことがあるだけ」と逃げられる。背徳的な行為に惹かれる気持ちをじつにマイルドに表現してる。(京介)
・さやえんどう相手に独り言なのか、あえて「人妻らしいさやえんどう」とみてもおもしろい。人妻のようなさやえんどう、憧れるにきまっている。(ロケッ子)
・触感が、つやつやひやっとした触感が、小説を読むようなスピードで伝わってきました。表現もすごく好きです。ただ、全体のグルーヴ感というか、リズム感というか、収まり方がちょっと私には心地良くなかったので、特選ではなく正選にさせて頂きました。ごめんなさい。(ニレ)
・可愛らしくもあり、隠微でもあり。さやえんどうが何かエッチなんですよ。このエッチ!いやらし可愛い句で大好きです。(玉虫)
・いつもスーパーで出会う女性。素敵だなあと思っていたら、ある日、さやえんどうを手に取ったその指を見ると、リングが…。さやえんどうが、人妻の凛とした美しさと、いささかの所帯臭さを表していると思います。(うぐいす)
・さやえんどうを家族にみたてたのでしょうね。隣のさやえんどうには、綺麗な人妻が居るのでしょうか?「惚れたのは、」にしなかったのは意味があるのか、聞いてみたいところです。(allex)
・「さやえんどう」の取り合わせにグッときました。人妻にグッときたわけではないんですよ。なんといっても「さやえんどう」です。お吸い物とかいいですよね。筋をとらなきゃいけない面倒くささもまたいい。「さやえんどう」の魅力に気づかされました。(タケウマ)

13.愛してる君の人参が小さい 11 3・5
作者:元気な人
◎フロヤマ、うぐいす、タケウマ ○mekekeke、ニレ、天坂寝覚、京介、可児

・受け手次第でシチュエーションが変化する句だと思います。私は愛する人が自分にたくさん食べてもらいたくて、長いほうの人参を取り分けたのだと受け取りました。ただ、人参嫌いな相手が、自分に長いほうを押し付けたと解釈するのも面白いです。何度も咀嚼して味わいたくなる句です。(フロヤマ)
・人参が嫌いな人なのでしょうか。愛する人に作ってもらった食事。うきうきと食べようとふと見ると、あれ、君より僕のほうが人参が大きい…おい、俺は人参が嫌いだって言っただろう…なんで小さい方をくれないんだよ…君のことは愛してる、だけど、そのへんの気遣いとかちょっと足りないんだよなあ…取り替えてくんないかなあ…みたいな心のつぶやきかと思いました。隠されたストーリーを想像するのがおもしろい句です。(うぐいす)
・「君の人参」がなんなのかをあれこれ考えるのが楽しい句でした。人参は暗喩なのか、それとも実物の小さい人参なのか。暗喩であるならば、なにを意味しているのか。実物ならば、どういう状態の人参なのか、畑の人参、料理に入っている人参、いろいろ考えられますよね。「君の」ですから所有物なのでしょうが、人参を所有していることの意味とは? 人参の大きい小さいの基準とは? 謎が謎を呼び収拾がつかなくなりました。結論は、二人でカレーを食べていて相手の皿の中の人参が小さく見えたという情景なんですが、それはそれで、すぐ消えていってしまう日常の一瞬を瞬間冷凍保存したようなせつなさがある気がしたのです。(タケウマ)
・何となーくしょんぼり感が漂ってるような感じがしました。そこが好きです。愛してる相手がいるだけでまずはいいじゃないか(遠い目) (mekekeke)
・一発目から何かしら得体の知れない余韻はやって来るのに、その後で「いったいこれはどういう意味なのだろう…」と考えることしばし。人参「は」ではなく、人参「が」小さいのだから、そこには多少がっかりした、小さな驚きと発見が混ざり合ったような感情が込められているような気がします。(ここにその想像した場面の数々を一旦書き連ねてみたのですが、そうすると文字数制限をあっという間にオーバーしてしまったのでカットしました)作者さんの本来の意図はともかく、いろんな想像をめぐらす作業は楽しいものですね。芯となる感情だけが共通している、全く重なることのない世界が幾つも連なって句の向こう側に見えるようです。(ニレ)
・作者が人参を好きなのか嫌いなのかで印象が変わってくる句で、できれば好きだと良いなあと思いながら読みました。人参が好きな作者に大きい方を渡す『君』に、愛を感じます。(天坂 寝覚)
・この句は下ネタかもしれない。人参が小さくても愛していると捉えると深い愛を感じる。またそのままストレートに人参が小さいのを見つけた瞬間なら、自分の大きな人参と取り替えてあげようとするのかも。自分にも人参があれば だけれども。(京介)
・ごめん。今夜は疲れてるんだ。(可児)

14.金が無い流しに人参が一本ある  12 5・2
作者:天坂 寝覚
◎ニレ、元気な人、流川透明、かもせり、なかぎり ○可児、シロマ

・1人暮らしをしていた頃のアパートの風景を思い出してしまいました。台所の蛍光灯は薄暗いし、冷蔵庫はよく冷えないし、財布は心許ないし…。なんともいえない孤独感と、それと背中合わせの位置にある根拠の無い吹っ切れた気持ち。こういう風景やら気持ちやらが呼び起こされる句というのは、理屈やら評論やらを全てすっとばして、直撃弾的にやはり好きです。(ニレ)
・「人参」を選択している時点できっと(僕同様に)性格が捻くれてる方だと思うのですが、人参の使い方はシンプルで上手いなと思いました。野菜本来の甘みがいきています。人参は希望でも絶望でもなんでもない日常。ただの変わらない日常。(元気な人)
・気休めな希望、「金が無い」感が出ていてよかったです。(流川透明)
・学生時代を思い起こさせられます。人参が「一本」あるのが良いです。一本取られました。(かもせり)
タムタムと流しに落ちる水道からのしずくの音を聴きながら、ぼんやりと西日射す台所にたたずむ一人暮らしの情景が浮かんできた。(なかぎり)
・1本の人参をどうやって食べたら、一番おなかがふくれるのでしょうか。細切りにしてマヨネーズつけましょうか。思案のしどころです。(可児)
・人参を置いたとき、べこんと流しがへこむ音がする。そのままその存在が固まったかのような、静寂、時間の堆積。(シロマ

15.夜道で名を呼ばれ 振り向くも人影はなし 1 0・1
作者:まろのゆき
○フロヤマ

・オカルト自由律俳句。大好きです。実際に、これと近い経験があります。背筋に冷たいものが走り、自分自身も走りました。(フロヤマ)

16.あの人のことは知らなくていい 3 0・3
作者:mekekeke
○畦道、フロヤマ、玉虫

・禁忌となっている身内。大人の世界の、暗い淵を覗き込む思い。(畦道)
・興味対象ではないのか、それとも気になるが故の拒絶なのか。知りすぎないことも、円滑な人間関係には必要なのかもしれないと思いました。(フロヤマ)
・背景とか何も知らないまま好きになる、みたいな感じがして、いいいいです。素のまま好きになる、みたいな。(玉虫)

17.百人の孤独 3 0・3
作者:可児
○泉、元気な人、allex

・もちろんガルシア=マルケスの「百年の孤独」からなのでしょうが、こういうノリというか勢いみたいなもの、俺、好きです。このタイトルで本当に百人の登場人物の「孤独」を描いたアンソロジーがあったら即買いしますね。数をこなすことによって見えてくる真実もあると思うのです。(泉)
・もし人間が一人きりなら孤独なんてものはないんですよね。二人いて三人いて、百人いて孤独が生まれる。人と出会って、初めて孤独を認識する。そんなことを考えさせられましたが、もう少し踏み込んで詠み手の感情が見えたら面白かったです。(元気な人)
・百人は寄せ集めだったり、何の縁もゆかりもない人の集まりなのでしょうか?どんな場面なのか想像させられて面白いです。(allex)

18.初めてのセックス 知らない人が死んだ日 10 3・4
作者:京介
◎天坂寝覚、玉虫、シロマ ○畦道、ロケッ子、うぐいす、なかぎり

・これがセックスでなく出産とかだとやたら重いんですが、この句は適度な重さに留まっています。実体験なんでしょうかね。当人にとっての大事と瑣事が並んでいるのですが、同時に生と死も並んでいる、すごい句だと思いました。あるいは後で思い出して、初めてのセックスもまた瑣事となっているのかもしれません。そんな時間経過も感じました。(天坂 寝覚)
・いいいです。人生って感じがします。それぞれの特別な一日。(玉虫)
・激情も下心も純粋も緊張もひっくるめて、虚しさが漂っている、この人、目の前の恋人(恋人ではないかもしれない)をまったく見ていないと思う。自分自身を、疑いとか、自己愛とかの目で見ている。殺伐としたなかにこの人のひたむきになりきれない難しさを感じる(シロマ
・自分が死ぬ日にも、世界中で初めてのセックスが。(畦道)
・誕生日ではなくて忌日でインプットされているなんて、後々この2人はいったいどんな別れ方をしたのだろう。(別れたこと前提!)(ロケッ子)
・初めてのセックスの高揚感と、喪失感、虚無感。生と死は裏表(あるいはイコール)なのかなと感じました。「死んだ」のが、「知っているだれか」だと、また受け取る感じが変わるだろうと思いました。(うぐいす)
・そしてボクが死ぬときにも、誰かが始めてのセックスをしているだろうし、誰かが生まれた瞬間なのだろうと思う。無限の広がりを見せる日常。改めて認識した。(なかぎり)

19.捕まった人にも生まれた日あり母があり 3 0・3
作者:ロケッ子
○流川透明、京介、なかぎり

・犯罪者の擁護(同じ人でしょ、みたいな)は好きではないが、ニュースの裏に泣いている近親者の存在を思い出させてくれるという意味で、いい句だと思いました。(流川透明)
・捕まった人は、なんらかの罪を犯した人なのだろう。人殺しかな? 人を殺しちゃったのかもしれない。きっと生まれたばかりの赤ん坊のときは無邪気であっただろう。人を殺める罪も我が子のしたことならば許す母もいるだろう。(京介)
・すべての出来事は、自分の身に降りかかっても、自分が巻き起こしても不思議はない。
常に思っていることを詠まれた。(なかぎり)