【結果】雑詠

1.千本のノックは守備の猛練習 1 0・1
作者:可児
○畦道
・挨拶句に一点献上。(畦道)

2.自分以外はかぼちゃばかりのタイムライン 5 1・3
作者:ロケッ子
シロマ ○天坂寝覚、流川透明、可児

・この思い切りのよさというか、野放図な自信がたまらない!不思議と誰かへの応援にもなりうると思う。活力にあふれている。(シロマ
・舞台なり何なりで、客は皆かぼちゃと思え、という話は聞いたことがありますが、作者の方はTLを流れる方々をそう見ているんでしょうか。いや、もしかしたらハロウィンの時期で、アイコンが皆かぼちゃだった、ということなのかもしれませんが。(天坂 寝覚)
・デジタルに溢れる季節感。「かぼちゃばかりのタイムライン」だけでも、本人の驚きは届くので、「自分以外は」は省略してもいいかもと思いました。(流川透明)
・タイムラインを眺めていても、何も頭に入ってこないときってありますよね。もう、みんなかぼちゃになってしまえばいいのに。(可児)

3.ガソリンを入れるタイミング 価格によりけり
作者:まろのゆき

4.生まれ変わったらいっしょになる予定の男が何人もいる 3 0・3
作者:京介
○天坂寝覚、うぐいす、なかぎり

・不実、とは言い切れないですよね。その時その時、常に相手に全力を傾ける恋愛だったのかもしれません。いわゆる尽くす女というか。だから何人もいるんでしょうか。ただのモテる女性の自慢でも構わないですが、それだとちょっとヤダなあ。(天坂 寝覚)
・これ、既婚者の句ですね。今の夫じゃなくて、あの人だったら、この人だったら、という妄想。うふふ、楽しい…。(うぐいす)
・来世でね、と明るく言われた子と、お互いにズブズブになった事を思い出した。その後も懲りずに何度かそんな間違いを犯した。だから今生での約束はもうしない。(なかぎり)

5.花火の空だ飛行機が浮いてく 1 0・1
作者:元気な人
○かもせり

・夜のディズニーランドを思い浮かべました。夜の花火の後ろで羽田から離陸した飛行機が上昇していて、花火に押されて「浮いてく」ように見えることがあります。(かもせり)

6.出なかったくしゃみに恨み 2 0・2
作者:mekeke
○泉、allex

・あー、こういう時ありますよね。花粉症の俺にはよく分かります。くしゃみって基本嫌なものですが、した後一抹の清涼感?というか達成感?というか、そうした感覚が残るのも事実。それらが無かった時の不快感だけの結末。はっきりしろよ、自分!と言いたくなるようなやり切れなさ。大袈裟かもしれないけど、ある!ある!(泉)
・出そうで出ないくしゃみ、ありますよね。でも恨むほどではないので、何かと重なっているのか、くしゃみが出ないことも、その理由にして恨みが増しているのでしょうね。(allex)

7.アイスは百円のでいい 4 0・4
作者:畦道
○まろのゆき、流川透明、可児、玉虫

・リッチなアイスより、安くても美味しいアイスはたくさんあるのです。(まろのゆき)
・遠慮深いのか、百円のでも楽しめるタイプなのか。(私は両方かも。笑)(流川透明)
・そのとおり!(可児)
・分かる。オラもハーゲンダッツよりスーパーカップのが好きだよwww ハーゲンダッツは胸焼けするんだよ。でもレディボーデンは神。レディボーデン>スーパーカップハーゲンダッツですね。個人的には。(玉虫)

8.林檎剥いてくれる手が金の話ばかりする 16 5・6
作者:天坂 寝覚
◎ロケッ子、泉、元気な人、かもせり、うぐいす ○ニレ、京介、フロヤマ、allex、なかぎり、タケウマ

・剥いて「くれる」がいい。優しさを感じさせつつ、金の話。しかし、この人を嫌いにはなれない。(ロケッ子)
・林檎を剥いているのは女性でしょうか。話し声が聞こえなければとても愛情あふれた平和で穏やかな風景。だけど、実際はこんな時耳にしたくないお金の話。なんとも皮肉で、しかしどこかユーモラスな感じもします。まあ人生こんなもんかな、という作者のため息が聞こえてきそうです。(泉)
・なんとも複雑な心情ですね。剥いて「くれる」という言い方に、まだ少しばかりの相手への信頼が見受けられるような。まあ金の話ってのは面と向かってされても気持ちのいいもんじゃないでしょう。思い切り飛躍させてハードボイルドな展開にしてみても面白い句。(元気な人)
・金の話は相手を選ぶ話題だと思います。林檎を剥いている人はその話をできる相手が作者しかいなくて結果的に金の話ばかりになってしまう。もちろん話する側はその自覚はないでしょうが、長いこと言えなかったことを吐き出して少し楽になっているのかもしれません。(かもせり)
・林檎を剥いてもらう=入院中のイメージ。きっと奥さんが入院中の旦那さんに林檎を剥きながら、治療費入院費通院費保険年金…そんな話をしてるのかな。俺の体のことほんとに心配してんの?って旦那さんがつぶやきそう。女はたくましいな、という句だと思いました。(うぐいす)
・良いですね。この風景。滲み出てくる「長年連れ添った感」が最高です。うんざりしつつ、でも別れないんだろうなぁ、なんて勝手な想像。(ニレ)
・入院中のベットが思い浮かんだ。林檎剥いてくれてるのは見舞い客だろう。この客は、ベットの上の患者が亡くなっても金の話ばかりするのだろう。「不謹慎」と言われながらも。金の話ばかりするのなら見舞いになど来て欲しくない。うんざりした気持ちがよくわかる。(京介)
・リンゴを剥いてくれることには感謝しつつも、金の話には閉口してしまう。そんな入院している人を思い起こしました。リンゴを“林檎”と漢字表記したところにも趣が感じられます。(フロヤマ)
・この句、好きです。韻律が軽快になっていたら特選にしました。手が話しをするとは面白い表現です。魂胆が伝わってしまうのでしょうね。面白いです。(allex)
・手の動きは、規則正しく冷静で、シャリシャリシャリシャリ皮を剥く。こちらに眼を向けずに、手元ばかり見て本来の目的の話しばかりをする。剥き終わったらきっとこちらを見るに違いない。応えなければならない。永遠に剥き続けてほしい。(なかぎり)
・ままならないものですね。でも、その林檎が意外と美味しかったりするんですよね、なぜか♪(タケウマ)

9.夏と秋とのグラデーションが始まる朝と夜 3 1・1
作者:なかぎり
◎まろのゆき ○フロヤマ

・賑やかな夏から、切なげな秋に変わりゆく時季が自分の中では一番好きだから。(まろのゆき)
・ちょうど今朝はそんな感じでした。グラデーションの比率が、これから少しずつ変わっていくことも捉えてあるかに感じました。(フロヤマ)

10.またエッチなこと考えてたでしょ台風情報 8 1・6
作者:かもせり
◎タケウマ ○畦道、泉、まろのゆき、可児、玉虫、シロマ

・図星です♪ なんたって台風がくるんですから、普段考えているようなことはどうでもよくなっちゃいますよね。こんなときにエッチなことを考えないなんてダメダメです♪(タケウマ)
・渦を巻く天気図までが艶めかしい夏の夜。(畦道)
・俺、台風の時ってけっこうテンション上がるんですよね。やらなくてもいいような荷作りしたり懐中電灯の電池替えたり。その勢いでエッチなこと考えちゃったり実際事に及んじゃったりすることもあるのでしょうね(俺はないです)。あ、なんか楽しいワクワクする、台風情報(笑)(泉)
・機会があったら相方に言ってみたい。(まろのゆき)
・ごめんなさい。(可児)
・いいいですね。可愛らしいふたりが目に浮かびます。嵐の音を聞きながらおセックスするがいい!リア充の川流れ強く希望。(玉虫)
・男女が部屋でひっそりとしている光景が浮かびます。台風が来て閉じ込められる。映画『台風クラブ』がそうですが、台風は人をヘンにしてしまう力があるとしか思えない(シロマ

11.きちきちを追って晩夏の野に迷い 3 0・3
作者:玉虫
○ニレ、うぐいす、allex

・読んだ瞬間に、ハードカバー版の「君は永遠にそいつらより若い」の装丁写真を思い浮かべてしまいました。今の一瞬と、過去からここまでの長い時間と、この先の非永遠性を3つ重ね合わせて光に透かしたような句だなぁ、と感じました。(ニレ)
・これ、子どもかなあ、大人かなあ、と考えました。夢中になるとそれしか見えなくなるのですよね。振り返ったら、こんな遠くまで来ちゃった…という、心細い気持ち。人生にも重ね合わせたりして。(うぐいす)
・きちきちを捕まえに野原で遊んでいるのでしょうか。晩夏のこの季節、夏に別れを告げることが出来ない季節が迷っているのか、夏に別れが出来ない自分が迷っているのか解釈が面白いです。(allex)

12.空に飛んだのは色鬼が青と言ったから 8 1・6
作者:流川透明
◎畦道 ○ロケッ子、天坂寝覚、京介、うぐいす、なかぎり、タケウマ

・どことなく不気味。赤といったら火に飛び込む。(畦道)
・おもしろい。「なんで空に飛んだの?」「そこに空があったから」じゃつまらないですもんね。ここでの「空に飛ぶ」がどうか明るい話でありますように。(ロケッ子)
・色鬼ってまた懐かしい。そう言えば身の周りに、青と言われて思いつくものはそうそうないですね。信号、と思いましたがあれは緑でした。果たして触れられたのかは怪しいですが、「空に触ってたからセーフだもんね!」という声が聞こえてくる気がします。(天坂 寝覚)
・「色鬼」、なつかしい! 小学生の低学年ぐらいの頃、色鬼で遊びました。もし空を飛べたら、青に触れなくても鬼に捕まらないと思う。空の青に触れたくて飛ぶ。飛びたい思いも感じられる。おもしろい。(京介)
・初めはトンボのことかなと思ったけど、これ、人間の子どもかなあ。なんとなく死を感じさせる句のような気がします。(うぐいす)
・カメラアングルは、手を空に伸ばしてジャンプする子をしたからあおる。そんな感じの躍動感!(なかぎり)
・最初、色鬼の意味がわかりませんでした。ググって納得。手を伸ばして空へ飛ぶ子どもの姿が浮んできました。美しい♪ (タケウマ)

13.今日も君の町へ行かないバスに乗る 12 2・8
作者:うぐいす
◎ニレ、なかぎり ○畦道、ロケッ子、mekekeke、流川透明、玉虫、フロヤマ、タケウマ、シロマ

・今回のすべての句の中でいちばん好きです。斉藤和義の「月影」とか、チャットモンチーの「バスロマンス」とか、君の町へ「行く」バスの歌は数あれど、君の町へ「行かない」バスの歌でこんなにも感情が膨らむとは思いもしませんでした。これは…しずかにしずかに眠り揺れている思いをゼリーやプリンのようにゆるゆると形にした句のような気がします。(ニレ)
・君の元にいけないとわかっていながら、無表情に乗る。いつか、このバスに乗らずに君のいる町に行くバスに乗る、そう思いつつ、明日も無表情でこのバスに乗る。(なかぎり)
・忘れよう、意識するのはやめようと思ってもできない感じがよく表れている。(畦道)
・「行かない」ことでほっとしているような、そんな様子もうかがえる。(ロケッ子)
・君の町へ行かないのに君に会えたら本当に好きになっちゃいますね。(mekekeke)
・残念な日常。心だけが飛んで行く。(流川透明)
・別れてだいぶたつんかな〜。好きな人のいた街はいつまでも懐かしいよね。もう会えないかもしれないけど、たまにブラつくのはいいんじゃない。行って来なされ!!あの街へ!!(玉虫)
・想いは“君”の元にあるのにも関らず、体は“君”の元から離れていく。想いと現実とのギャップが切なく、ただただ好きな句です。(フロヤマ)
・「行かないバス」が上手いと思いました。いつか君の町へ行くバスに乗る日がくるといいですね。(タケウマ)
・いつの間にやら、このバスに乗ることが「君」を想うきっかけになってしまった。誰にでもある形の、まぎれもなく別れの唄だと思う(シロマ

14.帰省をしても祖母はいない 7 2・3
作者:フロヤマ
◎流川透明、可児 ○mekekeke、かもせり、シロマ

・うるっと来ました。(流川透明)
・おばあちゃんが作ってくれたずんだもち、おいしかったんだよなあ。寂しいような切ないような、良い句だと思いました。(可児)
・しんみりする感じかな、とも思いましたがもしかしたら物凄いアクティブなおばあちゃんなのかも!?と思いました。帰る度にいないおばあちゃんっていいですね(笑)(mekekeke)
・「いる」「存在する」とはどういうことなのだろうと考えさせられました。この句を見ると「それでもおばあちゃんはいるんだよ」とか言いたくなってしまう、では「いる」とはどういうことなのか。どうしてそんなこと言いたくなってしまうのだろう。(かもせり)
・不在だけが色濃く。今年祖母が亡くなりました。葬式が終わり故郷を離れるとき、次に帰るときはきっといつもどおりの景色なのに、どこか遠いものに感じるのだろうと確信がありました。不変に思えた祖母の存在が崩されて、時の存在を突きつけられました(シロマ

15.夕空いつまでもてのひらの上 6 2・2
作者:タケウマ
◎天坂寝覚、allex ○泉、元気な人

・夕空が写真か何かであれば、何か忘れられない思い出があるのかな、といった感じですが、果たして。もしかしたら、てのひらの上即ち相手の一挙一動に一喜一憂している、ということなのかもしれません。その上で夕空なら帰り道なんでしょうかね。それはそれでほほえましいです。(天坂 寝覚)
・電車の中でしょうか、コンパクトを開いて化粧をしていたら、綺麗な夕空が広がっているのでしょう。全て手のひらに収めていることに喜びを感じたのでしょうか。光景が謎めいていて面白いです。(allex)
・美しい御句です。夕空をいつまでも自分の手の上で反芻していたい。それほど素敵な夕焼けだったのか、夕焼けとともに今日あった出来事を回想していたいのか、あるいは逆に頭の中は真っ白なのか。いずれにしろ自己と自然に矛盾のない満ち足りた時間。素敵です。(泉)
・「夕空」っていう強いワードに負けてない、自由律俳句らしい句だと思います。僕は寂寥の思いが立ち込めました。(元気な人)

16.臍ピアスしたまま帰らぬ人となった 7 2・3
作者:泉
◎京介、玉虫 ○mekekeke、ニレ、元気な人

・オシャレでカッコイイ臍ピアス。そんな生き生きとしてこそ輝く臍ピアスがあるだけに「死」が余計に強く感じられました。(京介)
・何か好きだ。切ない、、、やんちゃなアイツは早めに逝ってしまったのですね…合掌、南無阿弥陀仏。(玉虫)
・臍ピアスが原因で親族間で揉めて去って行ったのか、そんなキャラじゃなかったのに冒険してみちゃった日に偶然そうなってしまったのか、色々想像しますがどれも何となく笑ってしまいます。(mekekeke)
・まさかの突然訪れた悲しい別れをほろ苦く薄味にまとめていて作者さんの底知れぬ技量を感じました。すごい人が居るもんだなあ、と。(ニレ)
・なんだか無性に心に残りました。「帰らぬ人」の意味するところが醍醐味でしょうが、意味なんてどうでもよくただ胸に響きました。多分僕には作れないから。(元気な人)

17.蝉が影にしがみついている 4 1・2
作者:allex
◎フロヤマ ○ロケッ子、かもせり

・“死の影”を思わせながらも、しがみつくことで生への執着が感じられます。土から出てきてからの蝉の短い生き様を捉えており、我が身にも置き換えることができるように思いました。(フロヤマ)
・何の影なんだろう。蝉自身か、それとも人影か木陰か。なんにしろ、どこかにとまっている蝉を見て、こういう表現をしているのがおもしろいなぁ、と。(ロケッ子)
・最初「すがる女を振り解く」的な光景を思い浮かべました。「影」は作者の影なのでしょうか。なぜ蝉は羽根があって飛ぶことも出来るのにいつも必死にしがみついているのだろうと子供の頃思っていました。蝉にしてみれば別に「必死」ではないのかもしれませんが。(かもせり)

18.ブリーフ穿いてそうなイケメン 3 1・1
作者:シロマ
◎mekekeke ○まろのゆき

・笑いました〜。個人的にブリーフは響き的に「イケメン」よりも「男前」と結びつきそうなイメージです(笑)ブリーフ派ってまだいるんでしょうかね…。パンツ一枚で人格をあれこれ想像してしまう自分が嫌です(笑)(mekekeke)
・吹いたww(まろのゆき)

19.古新聞に巻かれ捨てられた青い色のロープ 2 0・2
作者:ニレ
○元気な人、京介

・視点の面白さなんですけど、なんだか共感できるんですよね。青い色ってのが抜群だと思います。(元気な人)
・青い色のロープは古新聞に巻かないと捨てられないものだったのだろうか??古新聞に巻くものというのは割れたコップや電球や人の目に触れたくないもの。この場合、人の目に触れたくないものであろう。青いロープ、なにやらよくないことに使われたように思う。凶器だったのかもしれない。そんなサスペンスやミステリーの世界が広がる面白い句ですね。(京介)