【結果】「旅」しばり

1. ひなびた宿のズッキーニの天ぷら 11 3・5
作者:こみおく
◎ニレ、元気な人、せば ○mekeke、うらら花、かもせり、タケウマ、ねぢこ
・やっぱりその場面が思い浮かぶ句というのは好きです。良いですねぇ。宿の主人の控えめな笑顔まで想像できるようです。(ニレ)
・なんですかね、いいですね。ズッキーニの天ぷらにどんな思惑を込めたのかわかりませんが、でもひなびた宿なわけですからね、やっぱりなんかちょっと思う所あるんですよね。ズッキーニのチョイスもいいです。ところでズッキーニってなんですか(元気な人)
・なんか風情がある。詩情も感じる。(せば)
・こんなところで出会うとは…少し笑ってからひとくち食べて何とも言い難い気持ちになりそうです。何だか謎の多い宿のように感じました。掛け布団にやたらフリルが多いとかそんなことなかったか確認して欲しいです。(mekeke)
・これ、わたしも食べてみたいです。そんな風に思わせる、唐突感が、よいです。(うらら花)
・良い意味での裏切り、意外性を感じます。(かもせり)
・ひなびた宿とズッキーニのミスマッチでしょうか。(タケウマ)
・ひなびた→ズッキーニかよ!ズッキーニ→天ぷらかよ!と2回返ったのが良かった。経営改革しようにも思い切りの悪い宿の主が浮かぶ。(ねぢこ)

2. 新幹線に忘れたワインの見る夢 8 1・6
作者:田中並
◎白川玄齋 ○もも、うらら花、玉虫、元気な人、せば、橙
・ワインが旅をしながら夢を見る、ロマンを感じる。(白川玄齋)
・きっと、楽しみにして買ったワインを忘れるくらい楽しい旅だったのでしょうね。どういう味だったのだろうと、家で苦笑いしながら会話する様子も想像できます。(もも)
・新幹線の網棚でしょうか、座席のうしろでしょうか。忘れられたワインはぽおっ〜とほんとに夢を見ているのかもしれませんね(うらら花)
・こういうワインはどうなっちゃうんでしょうか…!>< 切ねぇ…夢見るワイン、幸せ気分で誰か飲んだげて!!(玉虫)
・なんとまあ前向きでロマンチストな方でしょう。最早あえて忘れたんじゃないかってほどで。つくづく後悔しがちな僕もその夢がみたいです(元気な人)
・勿体ない。ワインが悲しく見える。そこにあったかも知れないドラマを勝手に想像すると面白い。(せば)
・せっかくお土産にワイン買ったのに…作者は旅を終えたけれど、置き忘れてしまったワインの旅はまだ続く。どんな景色や夢を見ているのだろう。無事に帰ってきてくれますように。ワインに旅をさせるのが素敵です。(橙)

3. 湯けむり紅葉づくしの今しかない 6 0・6
作者:いつ藻
○田中並、もも、かもせり、元気な人、ねぢこ、橙
・旅行の説得でしょうか。本屋の旅行雑誌をバンと閉じた絵が浮かんできました。(田中並)
・勢いがあって好きです。(もも)
・今しかないといいつつもどの季節でも理由は作れそうですが、でも今しかないと思ったときがその時なのでしょう。(かもせり)
・何が今しかないのか。単純に旅の決め手か。愛の告白の意を決したのか。ただどうしても「湯けむり」という言葉には「殺人事件」という言葉が似合って・・・(元気な人)
・湯けむり、紅葉でやる事と言えば殺人事件しか思い浮かばないが、何をやろうとしているのだうか。面白い。しかしタイミングの基準そこかよと突っ込みたい。(ねぢこ)
・温泉に行きたくなりました。湯けむり、紅葉狩り、本当に行くなら今ですよね。(橙)

4. よく居た広場に自機と僕の影ある 4 1・2
作者:元気な人
◎可児 ○mojolovich、ロケッ子
・プロペラ機で沙漠を超えて行くところ。男のロマンを感じさせる句ですが、感傷に陥らないぎりぎりのところで止めたのが良かったです。素晴らしい!(可児)
・自機って乗り物にしても飛行機とかそういうのを想像します。僕は戦闘マシーンが浮かびました。広場にあったらシュールだなぁと。(mojolovich)
・最初、「自機」を「自販機」だと見間違えていたのですが、その間違いに気づいてから、何だかこの句が怖くって。まざまざと情景を想像すると、本当になんか怖い。ホラー的な意味ではなく怖い。でも、怖い怖いも好きのうち。(ロケッ子)

5. 思い出入れる隙間空けておく 8 1・6
作者:ねぢこ
◎さはらこあめ ○いつ藻、allex、かもせり、ロケッ子、フロヤマ、橙
・上手い!!ぐっとくるにもかかわらず、朗詠なめらか。感動と発見がある。(さはらこあめ)
・隙間空けておくの修辞がよいですね。隙間がないと納まらないですものね。(いつ藻)
・鞄にいっぱいに詰め込んで出掛けるのではなく、お土産を入れるスペースを確保しておくでしょうか。それとも、旅行先の思い出を焼き付けることが出来るように心に少しゆとりを持って出掛けることを意味しているのでしょうか。軽快で面白い句だと思います。(allex)
・隙間を作るために何かを捨てる、捨てたい何かがあるから旅に出る。(かもせり)
・こん平師匠の鞄も、春日の腕もいつも何かのためのスペースは空いてるものね。持ってないと不安だから、といつもぱっつんぱっつんの鞄を下げている自分をちょっと反省。(ロケッ子)
・帰りの荷物はお土産で膨れ上がってしまいがち。そして家に帰れば疲れきって、旅の余韻など感じる間もなく現実に引き戻されてしまう。できれば、心の隙間に思い出をしまう余裕が欲しいものですよね。視点の鋭さが素敵です。(フロヤマ)
・出先ではいつもお土産で荷物が沢山になってしまうんです。本当に思い出を入れられる隙間を作っておかなくちゃですね。(橙)

6. フェルメールは紅葉も青だろうか 5 0・5
作者:もも
○いつ藻、田中並、ニレ、ちよ、橙
・そんな筈はないと逆に考えたときに、より赤々とした紅葉が浮かびました。(いつ藻)
・そんなことはないだろうと思わせて、もしかしたらそうかも知れないと、考えさせられる手腕に感服しました。(田中並)
フェルメール・ブルーを思うこの句を眺めながら私はモディリアーニのことをぼんやり考えていました。あの時のあの人をモディリアーニだったらどう描くのだろうか、と。フェルメールだって青だけを使っているわけではない、ということを充分知っている上でのこの句、というところが良いですよね。紅葉の風景とも実は関係なく、自分ならどうするだろうか、という決断の場面で詠んだ句のようにもとれます。(ニレ)
フェルメールブルーに染まるモミジ。秋の空にどう重なるのか。見てみたい、感じてみたいです。(ちよ)
・そんな紅葉もあっていいのかな、フェルメールの青い秋が存在してもいいのかな、青い秋の世界を想像しました。(橙)

7. 遠く来た街を明日は出て行く 10 2・6
作者:天坂寝覚
◎玉虫、橙 ○いつ藻、こみおく、もも、うぐいす、はたらきねこ、タケウマ
・この刹那感が旅の切なさ、そして良さ。本質を突いてると思いました。嗚呼旅に出てぇ!!そういう気持ちにさせて下さいました。(玉虫)
・旅の終わりはいつも寂しい気持ちになるものですよね。ずっと楽しみにしていたのに、旅が始まるとあっという間、もう少し留まりたい気持ちが伝わってくるいい句だと思いました。(橙)
・旅の終わりの哀愁を感じます。(いつ藻)
・あたりまえのことを詠んだ句なのに、どこかさみしさや運命を感じさせます。(こみおく)
・シンプルですが、楽しい旅は、あっという間に過ぎていく…そういう思いが見えてきます。(もも)
・短い旅のほうが、後ろ髪を引かれるのかもしれません。(うぐいす)
・漂泊の覚悟と孤独の悲哀がよく出ています。目的のない旅。(はたらきねこ)
・うん、旅とはそういうものかも。(タケウマ)

8. どこまでも追いかけてくる影ひとり連れて行く 7 0・7
作者:はたらきねこ
○いつ藻、さはらこあめ、allex、うらら花、フロヤマ、橙、みずいろばーど
・こういう影なら良いですね。(いつ藻)
・表現が説明的。意味が重なる言葉はひとつにまとめよう。テーマは良いと思う。感動と発見がほしい。(さはらこあめ)
・本当に独り旅なら「影ひとり連れて行く」で十分だと思いますが、本当は二人なのではないでしょうか。いつでも、何処へでも影のようについて来る彼女(彼氏)と一緒なのかと思わせる面白い句だと思います。(allex)
・旅は道連れ、さみしそうな影をつれて旅をするのも、おつなものでしょうね。(うらら花)
・それは悲しい影なのでしょうか。もしそうなら傷心旅行というものでしょう。それとも、影だけ連れての自由気ままな一人旅なのでしょうか。影の正体が気になります。意味深は感じがします。いや、あるいは私が深読みしすぎなのかもしれません。それでも惹かれる句であるということに変わりはありません。(フロヤマ)
・ひとりの旅は寂しいけれど、確かに影だけはどこにもついてきてくれる。旅の道連れが自分の影とはちょっと切ない…共感する句でした。(橙)
・振り払おうとしてもついてくる影、それが結局は最後まで自分を裏切らない友であること。孤独の中にフと浮かぶ笑みのようなj印象を受けました。(みずいろばーど)

9. 過ぎていくのは車窓の景色ばかり 2 0・2
作者:さはらこあめ
○かもせり、せば
・過ぎ去って欲しいけどいつまでも留まっている何かがあるのでしょう。それが何なのか気になります。(かもせり)
・素直に読むよりも、深読みした方がよい句。過ぎ去る景色と共に過ぎ去っているものがある。(せば)

10. あの街へは行くまい君を想い出す 2 0・2
作者:橙
○田中並、フロヤマ
・この句は単純に共感しました。付き合っていたひととそのひとの町がワンセットに思うことが度々あります。(田中並)
・その街はいつか二人で旅した場所なのでしょうか。そのときはきっと楽しい想いを共有したに違いありません。でも、いまは想い出したくない。きっと、辛い別れがあったのでしょう。切ない句です。(フロヤマ)

11. 結局家でたべる駅弁 10 1・8
作者:mekeke
◎うらら花 ○畦道、木曜星の人、Umbert Dolby、allex、可児、ニレ、白川玄齋、天坂寝覚
・なんだかありそうな話で面白い。食べようと思ったのに、タイミングが遇わず食べれなかった駅弁を、ぼそぼそ家で食べる姿がうかびます。(うらら花)
・旅に浮かれ、ふと醒める瞬間。そういえば父は出張の帰りに鱒寿司を買ってきては、よく家で食べていた。なんとなく癖で、買ってしまうのだろう。(畦道)
・新幹線降りたらもう食べるところなんてないですからね。駅弁フェアにでも行ったと思いましょう。おいしいです。(木曜星の人)
・味気なさを表現。(Umbert Dolby
・自分のことよりも子供たちの面倒で手がいっぱいで、結局お弁当を食べることが出来なかった。そんなお母さんの光景が浮かんできます。短くて軽快で面白い句だと思います。(allex)
・車内販売でたくさん買いすぎて、おなかいっぱいになっちゃったりしてね。(可児)
・「それもまた良し」という言葉が浮かびました。旅の延長戦ですね。(ニレ)
・家で食べるとかなりわびしい。(白川玄齋)
・この題の中で唯一、ちょっと笑ってしまった。(天坂寝覚)

12. 瞼を合わせ祈る独りで旅立った臆病な君の 2 1・0
作者:ニレ
◎みずいろばーど
・臆病な『君』が独りで旅に出ようと決心した背景と、祈る作者の心の内にストーリーを感じました。(みずいろばーど)

13. 旅立つ君の袖離せないでいる 4 1・2
作者:ちよ
◎フロヤマ ○allex、玉虫
・場面は駅のホームでしょうか。無言でシャツの上着の袖をつかむ彼女。発車のベルが、無言の二人を引き離す。ドアが閉まる。俯いたままの彼女。その頬に、一筋の涙が。列車はホームを出た。彼女はもう見えない。上着の袖に、彼女の温もりがまだ、残っていた。う〜ん、妄想が膨らむばかりです。胸キュンな句です。失礼しました。(フロヤマ)
・特選と悩んだ句です。軽快に表現できていて良い句だと思います。切ない光景が浮かび上がりますね。(allex)
・可愛い。そして、旅に出る側じゃなくて残る側の視線っていうのがいいなと思った。さすがです。(玉虫)

14. 偶然を装ってふるさと 17 3・11
作者:うぐいす
◎allex、mekeke、ロケッ子 ○畦道、こみおく、可児、玉虫、京介、みずいろばーど、フロヤマ、ちよ、元気な人、ねぢこ、せば
・なかなか帰れないふるさと。どのような理由かわかりませんが、親に心配かけたくなくて偶然仕事でそこまで来たからって言い訳して帰省したのでしょうか。ありがちですね。短いことばで軽快な句だと思います。(allex)
・「帰るなら連絡ぐらいしなさいよ!」て軽く叱られてもそれがまた嬉しかったりするのかな、なんて思いました。何となく家族がそわそわ数ミリ地面から浮いてまたすぐ着地していつもの実家に戻る感じを想いました。ふるさとって、土地と言うよりも馴染みの人達が集まる場所ってイメージがあります。(mekeke)
・偶然を装って帰ってきたこと、みんな気づいてるけど口には出さない。気づかれてるなって自分でもわかってるけど、そこには触れない。今度は、偶然じゃなくちゃんと帰ってきてね。(ロケッ子)
・偶然に通りかかったふりでもしないと、帰りづらいふるさと。『寅さん』の世界。(畦道)
・ふるさとのみんなはそんな装いすらも引き受けて「おかえり」と迎えてくれる。とてもあたたかい句だと思いました。(こみおく)
・途中下車か、あるいは一本乗り換えたのか。ふるさとには、なかなかふらっと立ち寄れない気がします。体言で止めたのもお見事。(可児)
・堂々と帰れない理由が何かあるのかな。それでもたまに帰りたい故郷。分かります。(玉虫)
・一旗揚げるまでは故郷に帰らないと決めていた、しかし帰りたくて偶然ということにしてしまった。そういうドラマに思えました。(京介)
・大手を振って帰れない理由があるのか、単に突っ張っているのか。それでも帰らずにはいられない、ふるさとというもの。温かな気持ちになりました。(みずいろばーど)
・何か理由が無ければ故郷に帰ることができない。別に帰るつもりもないけれど、でも一度くらいは帰ってもいいかな。なんて、揺れる心を感じてなりません。その偶然は、自分自身に対しても装わなければならないのではないでしょうか。こちらも、妄想族には堪らない句です。(フロヤマ)
・なんだか照れ臭くて理由をつけたくなるっていうの、何となくわるなぁって。(ちよ)
・シャイなのか、気を遣わせたくない人なのか、面倒くさい人なのか、そのどれもなんでしょうか。上手く言われたなって感じです。(元気な人)
・ふるさとは大手を振って帰れる場所では無いのかも知れない。けど、気になる。帰りたい。偶然を装ってたどり着きたい。(ねぢこ)
・偶然とはいい言い訳ですよね。上手く故郷で過ごせたら良いのですが。(せば)

15. ただ在りし地平線と対峙して敗北を知るホモ・サピエンス 2 0・2
作者:みずいろばーど
○mojolovich、ねぢこ
・「ブッシュマン」のラストシーンがなぜか浮かびました。コーラの瓶捨てるシーン。(mojolovich)
・どこか外国に行ったのだろうか。ただ自然の前で圧倒されている姿がホモサピエンスで伝わる。ちなみに私は出産の際、「哺乳類!哺乳類!あたし哺乳類」叫んだ。心の中で。(ねぢこ)

16. 落ちつきないおばあちゃんの冷凍みかん 9 0・9
作者:かもせり
○木曜星の人、こみおく、田中並、可児、うぐいす、玉虫、ニレ、白川玄齋、ねぢこ
・帰りに持たせてくれようとしているのか、着いて出してくれようとしているのか。何かしてくれようとするやさしさはアタフタになってしまう。良い句ですね。冷凍みかんは食べたことないですが。(木曜星の人)
・駅の売店で買い求めた冷凍みかんをせわしなく配るおばあちゃんの姿に、楽しさとあたたかさを感じます。(こみおく)
・いろいろな感慨が冷凍されて圧縮しているような気がします。(田中並)
・車中の冷凍みかんの酸っぱさが思い浮かびます。良い句ですね。(可児)
・久しぶりの旅行なのでしょうか。ちょっとはしゃいでいる、かわいらしいおばあちゃんが目に浮かびます。(うぐいす)
・いいよいいよ、みかんはあとで食べるから、しまっといてよおばあちゃん!久しぶりの旅行で舞い上がってるのかな。生きてるうちに何度でも連れて行ってあげたい可愛いおばあちゃんです。(玉虫)
・冷凍ミカンを握る不安なおばあちゃんの様子が浮かんでくる。(白川玄齋)
・お約束の冷凍みかんを買っても落ち着かないばあちゃん。孫に「いいから座れよ、ばあちゃん!」と言われている。乗車券拝見の折りにはどうなるのだろう。風呂敷の荷物を通路中並べそうである。(ねぢこ)
・なんか古い電車の中での出来事のように勝手に想像してしまいました。四人掛けの向かい合わせになった座席で、たまたま居合わせたおばあちゃんのコミカルな一場面、というイメージ。作者の意図を完全に離れたところでのこの句への好意です。それで良いと思っています。(ニレ)

17. 霧晴れて湖畔の傷ごころ 1 0・1
作者:フロヤマ
○allex
・失恋でもしたのでしょうか。傷ついた心を癒しに出掛けた旅行先で湖畔の霧が晴れてくるように、胸のつかえがとれていく光景が浮かびます。軽快で良い句だと思います。(allex)

18. かき捨てた恥が写真で残る 10 1・8
作者:ロケッ子
◎木曜星の人 ○さはらこあめ、Umbert Dolby、mekeke、うぐいす、京介、うらら花、かもせり、白川玄齋
・昔はカメラなんてなかったからよかったのですが、今はありありと残ってしまいますからね。ビデオじゃないだけまだましですか。サングラス掛けてる写真を日光で焼きたいです。(木曜星の人)
・思わずくすっとする。ただ表現がストンとしすぎていて、もうひとつ俳句的な匂いがほしい。(さはらこあめ)
・共感。(Umbert Dolby
・迂闊でしたね。残ってましたよ。うっかり人に配ったりしてませんか。非現実感覚だった自分を日を置いてから客観視する恥ずかしさったらないですね…。。(mekeke)
・蘇る、忌々しい記憶!(うぐいす)
・「旅の恥はかき捨て」旅先の開放感でやりすぎちゃった写真が目に浮かびます。焼き増してバラ撒きたい(笑)(京介)
・写真は証拠に残る。恥ずかしいことも残ってしまう。当たり前の話だけど、その時の気持ちも、フラッシュバックするでしょうね。そして、赤面ですね。(うらら花)
・確かに、昔の旅の写真は今見ると恥ずかしいものが多いような気がします。(かもせり)
・保存期間が長い方を選びました。(白川玄齋)

19. 移動範囲方寸四方の大冒険 2 0・2
作者:白川玄齋
○さはらこあめ、みずいろばーど
・少年の秘密基地が見えた。大人が素通りしそうな世界を、純真無垢な心がかっぽする絵が浮かぶ。(さはらこあめ)
・どんなに狭く短い間の出来事も、果てしない大冒険になりうるという事実。結局わたし達の旅は、己の内を探求しに出掛けるようなものなのかもしれないと思いました。(みずいろばーど)

20. 誰が置きし自然薯やろか無人 17 3・11
作者:Umbert Dolby
◎もも、かもせり、ちよ ○さはらこあめ、畦道、木曜星の人、mekeke、こみおく、ロケッ子、みずいろばーど、はたらきねこ、白川玄齋、せば、天坂寝覚
・一時間に一本くらいしか電車が来ない無人駅。この句の作者以外には、誰一人、この無人駅で電車を待っているものはいなかった…という詠み方をしました。自然薯が、周りの風景を想像させてくれます。(もも)
無人駅で自然薯と相対している旅の人。誰もいない駅舎で自然薯と待つ電車。そして自然薯との別れ。あ、別れないで連れて帰っちゃうのかも。(かもせり)
・一本道。屋根付きのバス停。ポツンとある自然薯。映画のワンシーンの様な情景がぽわりと浮かんできました。とてもすきな景色。(ちよ)
・「置きし」と「やろか」が気になる。間違いなのか、わざとなのかわからない。意図的にするにしても「ん?」と読み手に思わせないほうがいい。のどに魚の小骨がひっかかった感覚を残す。テーマはすごく良いと思う。(さはらこあめ)
・置きし、に若干の違和感。ここも口語、方言で押し切れば特選に頂いたと思う。(畦道)
・自然薯って長いですからね。背景と溶け込んで違和感がないのもいいですね。(木曜星の人)
・こういう発見が好きです(笑)無人駅は不思議がいっぱい。(mekeke)
・閑散とした無人駅。そこにぽつんと置いてあった自然薯は、地元の行商人が置き忘れらたのであろうか。旅先でふとみかけた光景に旅愁が漂います。(こみおく)
・「誰」を「た」と読んで定型にするも、「だれ」と読んで6文字にするもどちらにしても心地いい。自然薯と無人駅、あまりにもぴったりな組み合わせに文句をつけたい気も少々。(ロケッ子)
・たまに、見知らぬ地で不思議な光景に出会うことがある。意図的とも、偶然とも…重要とも悪戯とも分からない情景。いろいろ膨らませる想像が楽しいと思いました。(みずいろばーど)
・これはいいなあ。好きだなあ。「誰」をどのように解釈するか。「無人駅とは言え、周辺に住民がいて、だれかが忘れて行ったのか。いや、きっと山の妖怪だな。山童かな。木霊かな。仲よくなれそうな人間を見つけて、おみやげを持って来たんだな。でも渡せなかったんだな。わかるぞ。しくしく。」みたいなことを考えながら詠んだ句に違いない。(はたらきねこ)
・地方の無人駅の様子がよく出ている。(白川玄齋)
・地方のローカル線の駅によく見る光景。
自然薯でも何でも良いのかも知れないけど、自然薯が効いてるなあ。(せば)
・まず景が良くて、それに加えて『やろか』と方言を用いたところに点を入れたい。ただ、せっかくの方言が旧かなの『置きし』とぶつかってしまったのが惜しい。(天坂寝覚)

21. 捨てる筈の思い出が鞄からはみ出している 10 2・6
作者:allex
◎いつ藻、畦道 ○mojolovich、うぐいす、はたらきねこ、ニレ、ちよ、せば
・人生という大きな旅でしょうか。過去を捨てようとする苦悩がずしんときます。(いつ藻)
・とある観光地の土産屋が、おまけだといって孫の手をくれた。いらない、と思ったが断れなかった。孫の手は帰りの鞄からはみ出して、邪魔だった。しかし、この句のように解釈すれば、非常に美しいものとなる。見事だ。(畦道)
・きっと思い出がいっぱいなんだ。胸キュンです。(mojolovich)
・恋に破れた女性でしょうか。あふれるほどの思い出を捨てるための旅なのに、結局捨てられず・・・演歌のような世界観ですね。(うぐいす)
・同テーマの句がいくつかありますが、これが秀逸に思いました。「筈」がいいですね。
本心なのか、欺瞞なのか、広がりを感じる言葉です。(はたらきねこ)
・最初、恋人との別れの場面かな、と思ったのですが、あぁ、これは「旅しばり」だった、ということを思い出し、「旅の恥は掻き捨て」か、と思い至りました。そうです。捨てなくても良いんです。旅の最中に起きたことは全部宝物です。そのあたたかい気持ちに1票です。(ニレ)
・旅を共にした鞄って、そのまま思い出も染み付いてしまいますよね。(ちよ)
・捨てるはずの思い出って深い気がするが、案外地方の新聞紙ぐらいかもしれない。そう思うと面白い。(せば)

22. 床の間を片づけてもう一人ねむる 9 1・7
作者:木曜星の人
◎ねぢこ ○Umbert Dolby、可児、うらら花、京介、みずいろばーど、はたらきねこ、天坂寝覚
・実ははっきり句意は掴めていないのだけど何か気になって取らせて頂きました。予定外に人数が増えて床の間に寝るのか。帰宅して荷物が散乱して床の間に寝るのか。もう一人も気になる(ねぢこ)
・背に腹は代えられぬ。床の間も寝てみれば案外居心地がいい。じわじわと可笑しさの拡がる句。(Umbert Dolby
・なんか人数増えちゃって、結局雑魚寝。(可児)
・床の間を片付けてねむる そんな旅の姿が想像できます。旅行は荷物が散らかったり、人も多かったりするリアル感かな。(うらら花)
・大きな部屋で布団をいっぱい並べて眠る運動部の合宿のような光景が目に浮かびました。
他にお客さんがいなかったら廊下で眠る人もいたことでしょう。(京介)
・若者一人の貧乏暮らし、という雰囲気を受けました。休みに仲間が集まって、夜は適当に眠る。乱暴だけれどどこまでも自由を感じる作品でした。(みずいろばーど)
・帰省ですね。実家にはもう自分の寝る場所が確保されていない。ルカの福音書では放蕩息子は父に赦されるのですが。(はたらきねこ)
・個人的にツボに入った。とは言え旅と見るには難しいような気がしたので、正選とした。(天坂寝覚)

23. かなかなを探してるんだ 8 2・4
作者:せば
◎田中並、タケウマ ○さはらこあめ、Umbert Dolby、mojolovich、天坂寝覚
・旅でかなかなを探してしまうチャーミングさを買いました。本当は無目的な旅だったかも知れない。(田中並)
・一番好きな旅でした。見つかるといいいよね♪ (タケウマ)
・「かなかな」が様々な意味が含まれていてテーマも良い。もうひとつグッとくるものがほしい。このままだと「ああそうですか俳句」である。(さはらこあめ)
・年に一度、そのような気持ちになります。(Umbert Dolby
・かなかなってあまりみなくなったとは言うものの。どこまで行くねん!っていう。(mojolovich)
・夏の終わりを追っているのか、あるいは過ぎてしまった夏を追っているのか分からないが、切実な思いはひしひしと感じる。(天坂寝覚)

24. 村ごと遠くへ転移する 3 0・3
作者:可児
○いつ藻、mekeke、mojolovich
東日本大震災句でしょうか。ここでは思い切った省略をしていますね。そこが良いです。(いつ藻)
・「旅」がどれも楽しいものとは限らない。仕方なく旅立たねばならないときもある。そんな旅はいつか終わる旅だと思いたい。(mekeke)
・転移って言葉がかっこいい。SF小説の究極の短縮みたいで。(mojolovich)

25. 指令その4 新京極で木刀を買え 9 2・5
作者:タケウマ
◎こみおく、京介 ○畦道、Umbert Dolby、可児、うぐいす、白川玄齋
・若者の古都への旅行と木刀は切っても切れない関係です。数々のミッションにはしゃいでいる男子たちの光景が目に浮かんでわくわくしました。(こみおく)
・新京極で木刀を売っているのは、こんな指令があったからだったのか!(京介)
・確かに木刀を買う同級生はいたが、あれは指令だったのか。手裏剣とかもそうなのか。(畦道)
・ヤンキーか。(Umbert Dolby
・東京だったら日光で、修学旅行の男子全員木刀を買うんですよ。(可児)
・了解!!全力で任務を遂行します!!(うぐいす)
・場所は違いますが、同じ思い出があります。(白川玄齋)

26. コロとふたり旅家出なんかじゃないのに 6 0・6
作者:玉虫
○木曜星の人、もも、京介、ロケッ子、はたらきねこ、天坂寝覚
・犬でしょうか。犬が救いでもありそうですが、わびしさも犬一倍ですね。(木曜星の人)
・多分、コロはペットだと思うのですが、「ふたり」とすることで、この句の良さが出ているのだと思います。例えば「コロと一緒に旅」だとしたら、強がっている感じとか、背伸びした感じとかが見えてこなかったでしょう。(もも)
・コロは犬だろうか。飼い主とペットではなく親友といった関係に感じる。冒険がはじまりそう。(京介)
・そうそう、家出なんかじゃないよね。冒険だよね。どうか無事にお家へ帰りますように。(ロケッ子)
・幼い冒険を見守る広い度量が親には求められるのですね。私も山から帰らぬ日があったそうです。神隠しに遭い易き気質。(はたらきねこ)
・『コロ』の存在あってこその句。全体がなんとなく説明的な気もするが、それが却って『ふたり旅』をしている「私の心情」を強く伝えてきた。(天坂寝覚)

27. 子規の空はわたしの空にもある 3 0・3
作者:うらら花
○田中並、タケウマ、ニレ
・子規のない空といえば、彼はよく空を詠んでいます。彼に見栄を張っているような態度が立派であると思いました。(田中並)
・そう、ボクの空にも♪(タケウマ)
正岡子規に思いを馳せてさらに広がり行く心の空。風が吹いているような句ですね。(ニレ)

28. 乗り物酔いの耳にバスガイドの唄 5 0・5
作者:京介
○木曜星の人、こみおく、もも、ちよ、元気な人
・どうしてバスガイドという人は歌を歌いたがるんでしょう。皆さんもご一緒にとされた日にはもう。あなたはバス慣れしてるかもしれませんが、こっちはもう口も開けませんよ。(木曜星の人)
・のんきで明るいバスガイドの歌声が、ほかの生徒のはしゃぎようを連想させ、作者の孤独感をいっそう高めています。きっと目的地では酔いも治り、たのしい旅行となるはずです。(こみおく)
・乗り物酔いは、耳の奥にある三半規管が原因だと言われますね。そこにバスガイドの優しい唄声が聞こえてくると、少しは、乗り物酔いが楽になったのでしょうか。(もも)
・子供の頃いつもそうでした。変にテンションの高い声と会話を呪っていた。(ちよ)
・僕は乗り物酔いに疎いのでその気持ちを理解しきれませんが、きっと吐くほど嫌でしょうね。美人ならまだ許せそうですが、ブスバスガイドならバスガス爆発でしょうね。(元気な人)

29. 国境を舐めながら来た 3 0・3
作者:mojolovich
○畦道、タケウマ、元気な人
・具体的な情景は読み手に委ねられているが、とても拡がりのある言葉だと思う。私は(行ったことないが)アメリカとメキシコの国境を何故か思い浮かべた。(畦道)
・よくわからない。よくわからないけど、いい♪(タケウマ)
・「舐めながら」がすごく色々を想起させて面白いです。甘く見ていたのか。飴玉でも舐めてたのか。地図を持って舐めながら来たのかも。舐めるようにして、ということも。実際はわかりませんが、国境は舐めながら来るもんじゃないなと思いました。(元気な人)

30. みんな疲れてバスは西行 17 5・7
作者:畦道
◎mojolovich、うぐいす、はたらきねこ、天坂寝覚、Umbert Dolby ○mekeke、玉虫、京介、ロケッ子、タケウマ、フロヤマ、ちよ
・何度か読んでいるうちに徐々に来る感じです。バスは何人を乗せて走るんだろう・・・って。(mojolovich)
・夕暮れ、旅の終わりの気だるい感じ。西日が眩しいんだろうなと想像しました。で、たぶん家に帰ってから「やっぱり家が一番だな」なんて言うんでしょうね。(うぐいす)
・日が沈む町へバスは帰る。周囲の人はみな生活の中にいる。帰宅する人々のバスに乗り合わせた自分は、一人異物として旅人である。みんな疲れて家へ帰る。帰る家のない私はどこへ行くのか。日常の中の違和感や孤独を感じとりました。(はたらきねこ)
・遠足の帰りなのだろうか。疲れたみんなを乗せてバスが西へ行くとき、太陽もまた西へと沈み行く。あたかもバスが太陽を西へ運んでいるかのようで、その景色が誘う郷愁たるや。帰ることも旅なのだと強く思った。(天坂寝覚)
・旅行にありがちな情景をきりとっている。『西行き』がきいている。(Umbert Dolby
・行きの元気はどこへやらですね。でも帰りのバスで寝るのって何か気持ちいいですね〜。(隣にだれがいるかにもよりますが…)(mekeke)
・疲れても(´・ω・`)死ンジャダメ…!!(玉虫)
・西は極楽浄土への方向でしょうか。だとすれば、冥土への旅。(京介)
・目的地が西なのか、それとも西に帰るのか。楽しいだけが旅じゃない。(ロケッ子)
・ふむ、疲弊したものは西へいくのかもしれぬ。(タケウマ)
・もしかしたらTDLあるいはTDS帰りなのではないでしょうか。関西方面に向かう帰りの夜行バス。疲れ果てた乗客。楽しかった思いとは裏腹の、シニカルな句のように感じました。(フロヤマ)
・早朝出発して8時間。移動時間よりも短い滞在時間でまたバスに乗る。みなげんなりしながらも、西陽に向かって走るバスに揺られ、想い出を口々にうつらうつら。そんな過去の夏をありありと思いだしました。(ちよ)