句会2本目 全句公開

千本ノッカーの皆様、こんにちは。12月です冬です全句一覧です。2本目にご投句いただきました方々、どうもありがとうございます。おつかれさまでございました。暮れのお忙しい時期にすみません〜。選句選評までまだまだお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

今回の句会における投句者数は、(何行にもわたって空欄にしてひっぱりたいところだけど、大人なので我慢)26名でございました! つまり、つまりつまり、逆選は……(ここをひっぱっても意味がないけど、どうしようもない大人なのでつい)無し、ということですね。ほっとした方も、残念って思われた方も、その思いを込めて選評をお書きくださいませ!


選句・選評について

  • 選句場所

  ▼「平」→   http://ws.formzu.net/fgen/S74942355/
  ▼「食べ物」→ http://ws.formzu.net/fgen/S78892235/
  ▼「雑詠」→  http://ws.formzu.net/fgen/S67734469/

  • 期間

  12月5日(水)0:00〜12月9日(日)23:59

  • 選句内容

 ○それぞれのお題ごとに、「特選」1、「正選」3を選ぶ。
  (「自分の句以外」なので、各25句の中から選ぶことになります)
  選句方法の詳細は 「千本ノック」とは をご参照ください。


 ○選句の際に、選評を書き込む。
 (選句外評は、Twitterまたは二次会場所でお願いしますー)

指定語「平」


1. 晦の蕎麦平らげて独りかな

2. きみを失った今日も平日と呼ぶのか

3. 波平の頭にも降る雪しんしん

4. 平らな黒い道を帰る

5. 水平線よ二度と立ち上がらないでくれ

6. お前んち平屋かよと笑った友達を殴る

7. 平幕が時間をつぶしている

8. ひとりでも平気といったんだから泣くな

9. 平均台から落ちたらさいしょから

10. 平穏な一日だったね月微笑

11. もうこぶ平じゃなかったチュニジアの夜

12. いまいちばん欲しいのは平らなおなか

13. ついでに願う「四海皆波平らかに」

14. 水平線知らず瀬戸内の子ら海を唄う

15. 平らげてから知らされる賞味期限

16. 平ら確かめてまた体重を測る

17. ひとり居ればよかった金平糖噛み砕く

18. 水平線も凍てつく冬だどこまでも行ける

19. 水平線が星を吐き出している

20. 平均律クラヴィーア曲集第一巻第一番ハ長調に朝から降り止まぬ
雨の匂いして

21. キキララが作ってると思ってた金平糖

22. 平和でありたい十円を募金する

23. 日本平から見る富士山の悲しい青

24. 叩くならいっそ転がせ手の平の上

25. 平気って言った途端入る平気じゃないスイッチ

26. 平日はイヤフォンの色数え透明になる私と満員電車



「食べ物」しばり


1. 多分この人別れても猫背で食べてる

2. チョコレート少し溶かして交わすキス

3. こんな格好で反逆のマヨネーズ

4. 恋の始まりはキャラメルポップコーン

5. 食べ物の恨み恐ろしい核シェルター

6. もう居ない君の席に私のごはん小盛り

7. 霜の夜や分子構文解いて居り

8. ゆで卵まるごと一個口に入れてみる

9. 殺めねば生を語らるや

10. まだ泳いでいたかったか喉の骨

11. 歯のない顔でまんじゅうくれた

12. 結局えりんぎはつかわない

13. 塩むすび作ってみたよばあちゃんと手を合わせていた

14. うたたねはデミグラスソースの二日目

15. いっぱいの死をいただいてきた体で今日も

16. ゲテモノ食いではないが上司の土産

17. カップメン作る妖精を覗く

18. 白飯一口分の今日を飲み下して眠る

19. ライスカレーの名にふさわしい気品がある

20. つつましく惣菜を買う老婆ひとり

21. 腿の間のすり鉢を叱る祖母

22. 叱られたあと泣きながら食べたおにぎり

23. 七面鳥骨までしゃぶるか敬虔な君よ

24. 耐えに耐え謀反起こした〆にパスタ

25. 君のカレーは醤油と相性がいい

26. 食べないほうの草だった茶を飲む



雑詠


1. 黄色い顔でボリュームを上げる

2. うそ吐いたけど針千本も用意できない

3. 便座のあたたかさに泣きそうになる

4. 寒い手に寒い手がぬくい

5. マスクのなかで呪文唱える

6. タラちゃんの未来想ふや柿の餡

7. 好きだった人から今年も喪中はがき

8. 同じ車が無言ですれ違う

9. 義父のデジカメに授乳する私の姿

10. 笑う鬼涙の師走火の車

11. 月光沁み出して影深く濃い

12. 歯磨き粉で描く冬空

13. 闇で触れてもわかるこのツノがきみだ

14. ふと先のことは空の青さが怖い

15. 今日ももしかしての曲がり角まがる

16. 気の利いた台詞留守にしております

17. 売らんかなの街角の疎ましさいじらしさ

18. 綿の雪も年々減っている

19. そこかしこで雪が待ちわびている

20. 父という自死の先達ある強み

21. 月ばかり明るい小銭しかない夜道だ

22. ひっそり閑のかおりをご存知?

23. 娘の一人称が「わたし」に変わった今年も暮れる

24. 蟷螂死す哀しくもない冬の庭

25. 老猫と想い出話冬こたつ

26. 欄干の靴跡に淡雪ふれて遠い目の鴉