テスト句会(0本目)結果発表

テスト句会にご参加いただきました皆様、お待たせしました! 記念すべき0本目の結果が出ましたので発表させていただきます。全句の作者公開&選評の詳細につきましては、続きます↓別記事にてアップしておりますので、そちらもあわせてご覧ください。

お題それぞれの最高得点は……

まずは、3つありましたお題ごとに最高得点を獲得した句と次点の句を発表します。皆様からいただきました選句をもとに、「特選=2点、正選=1点」で計算しております。

▼指定語「人」 最高得点句

  金が無い流しに人参が一本ある
  
  獲得点数:12点
  作者:天坂 寝覚

  ▽次点句

  愛してる君の人参が小さい
 
  獲得点数:11点
  作者:元気な人

▼「学校」しばり 最高得点句

  みんな戻れない教室に置いて来た

  獲得点数:14点
  作者:天坂 寝覚

  ▽次点句

  虹が出て授業中断

  獲得点数:13点
  作者:流川透明

▼雑詠 最高得点句

  林檎剥いてくれる手が金の話ばかりする

  獲得点数:16点
  作者:天坂 寝覚

  ▽次点句

  今日も君の町へ行かないバスに乗る

  獲得点数:12点
  作者:うぐいす

◎今回の句会における最高得点獲得句
  林檎剥いてくれる手が金の話ばかりする(16点)
  作者:天坂 寝覚


終結

そんなわけで、今回の句会結果は次のようになりました。
(※MVP=総合獲得点数が最も高かった作者、ホームラン王=特選に選ばれた数が最も多い作者、ヒット王=正選に選ばれた数が最も多い作者)
 

 ▼MVP     → 天坂 寝覚(42点)
  
 ▼ホームラン王  → 天坂 寝覚(13個)

 ▼ヒット王    → 流川透明(21個)

ちなみに、総合獲得点数上位5名は、「天坂 寝覚(42)、流川透明(27)、うぐいす(26)、かもせり(20)、元気な人(18)」でした。神5です。


選ばれました皆様、おめでとうございます!!

【結果】指定語「人」

※次のような並びで掲載しています。
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 句  獲得点 特選数・正選数
 作者
 ◎特選に選んだ人 ○正選に選んだ人
 選評

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1.すれ違う大人はみんな顰め面 2 0・2
作者:allex
○まろのゆき、流川透明

・自分がいつも顰め面だから。(まろのゆき)
・たとえばお祭りなんかで、子供は楽しそうにしているのに、大人は付き合いで来ていて、暑いし混んでるしかったりーとか思ってるんだろうなあと想像しました。(流川透明)

2.百万羽のフラミンゴと百人の政治家を空から見る 1 0・1
作者:ニレ
○タケウマ

・「百万羽のフラミンゴと百人の政治家」を空から見たのか、「百万羽のフラミンゴ」と一緒に「百人の政治家」を空から見たのか、迷いました。百万羽のフラミンゴとともにいる百人の政治家の図というのも、百万羽につつかれている百人とか考えると面白いですが、百万羽のフラミンゴと一緒に空を飛ぶ図のほうが楽しそうですね。せっかくフラミンゴと一緒に空を飛ぶのであれば、政治家なんか見なくてもよさそうな気もしますが、まあ、楽しいことだけではないのが、人生なのでしょう。よくわかんないけど。(タケウマ)

3.新涼のうしろの正面人面魚 5 2・1
作者:タケウマ
◎畦道、allex ○泉

・振り返ればじっと見ていた人面魚。ユーモアと不気味さのバランスの妙。(畦道)
・何かの行事の席なのでしょう。真後ろに座っている方が、まるで人面魚のような顔立ちなのでしょうね。どんな場面なのか?人面魚の人って?半漁人としないところにも意味がありそうで面白いです。(allex)
・「新涼」と「人面魚」が一緒にかごめかごめをしているとは。/si/と/zi/、/ryou/と/gyo/という音の繋がりぐらいしか共通点らしきものはないのに。ナンセンスなファンタジー。韻文という奇跡。(泉)

4.宇宙人の顔文字を深読みしている 4 0・4
作者:シロマ
○天坂寝覚、流川透明、京介、タケウマ

・顔文字にしても絵文字にしても、送る側には何の気がなくても、送られた側はその意味を必死で読み解こうとしてしまいますよね。けれどわざわざ「深読み」と言ってしまうのは、実は何の意味も無い顔文字と気付いていながら、それでも好意的な意味を読み取ろうとする自分がそこにいるからなんでしょうか。その様が健気でいじらしいです。(天坂 寝覚)
・送った方には深い意味なんてないんだろうに、ぐるぐる考えちゃってる感じが想像出来て面白いと思いました。(流川透明)
・宇宙人は「わけわかんない人」を表してるのだと思う。わけわかんない人の顔文字をストレートに捉えていいものかどうか。捉えていい筈はない。毎回、こういう相手とやりとりするときは深読みせざるを得ない。そういった人間関係の煩わしさが感じられる。(京介)
・宇宙人の顔文字とは、どんな顔文字なのでしょうか? (●◎●)<ワレワレハウチュウジンダ>こんなのとか、―(ФwФ)(ФwФ)(ФwФ)ー 宇宙人三兄弟>こんなのをネットで拾ってきましたが、作者が深読みしたという顔文字がどんな顔文字なのか、あれこれ想像するのが楽しい句でした。いや、知りたくはないんですよ、本当のところは。わからないままのほうが面白いですね。(タケウマ)

5.風呂に浸かって善人の顔になる 7 0・7
作者:うぐいす
○mekekeke、フロヤマ、ニレ、元気な人、かもせり、玉虫、シロマ

・湯船に浸かった瞬間はまだ湯と肌が馴染んでないので少し険しい顔になりますが少しして馴染むとふにゃ〜っとほぐれて確かに善人顔になりますね(笑)暑い日が続いて面倒くささからシャワーで済ましてばかりでしたが久しぶりに湯船に浸かろうかなと思いました。善人になりに。(mekekeke)
・“水に流す”語源は別のところにあるかもしれませんが、この言葉が思い起こされました。日本人ほど風呂好きな国民は他に例をみないという話を聞いたことがあります。風呂に入ったら気持ち良くなって怒りさえも水に流してしまう。海外から見ればお人好しとも言える日本の国民性をも捉えているように感じました。(フロヤマ)
・なるほどなぁ、と思いました。あの心地良い顔を善人の顔と言うとは、今まで知らなかったことを新たに教えてもらったような気分です。スパっとした潔い感じのまとまり方も好きです。(ニレ)
・悪い人ですね。目の付け所も。でもそれが人間。なにも間違っちゃいないと思います。(元気な人)
・入浴するときはゆっくりのんびり、できれば湯船で足を伸ばしたい。我が家の湯船は小さいからなかなか善人の顔になれません。「顔になる」がいいですね。もしかしたら入浴前は悪人の顔だったかもしれないですが、顔は感情の玄関なのでいろいろな顔になるのも生きていればこそなのでしょう。(かもせり)
・苦労の多いおじいさんが何故か浮かびました。普段はしかめっつらしてるおじいさんがお風呂でふっと微笑む、みたいな。抱き締めたいおじいさんです。(玉虫)
・どんな人にも気の緩む瞬間がある、普段忘れてしまう人の愛おしさ、それに気づかされます(シロマ

6.このコンクリ流しダムダム人に違いない 1 0・1
作者:泉
○畦道

・まさかこんなところにダムダム人が現れるとは。(畦道)

7.蝉時雨かなかな浴びて亡き人思う 4 1・2
作者:玉虫
◎まろのゆき ○ロケッ子、シロマ

・大好きだった伯父を思い出して、泣きそうになった。(まろのゆき)
・外の騒がしさと心の中の静けさが対比されているようで、大切な人を失った寂しさが伝わってくる。かなり昔に亡くなった方なのかも。(ロケッ子)
・蝉の声は思考をトリップさせます。蝉時雨のなかを歩いていると本当に現実にいるとは思えません。(シロマ

8.懐かしい人と会う秋めく夜だ 5 1・3
作者:フロヤマ
◎可児 ○mekekeke、天坂寝覚、かもせり

・数年ぶりに会うあの人はどんな姿で現れるのだろう。秋めく夜の心はときめいていますね。自由律でなければ詠めない世界を感じました。(可児)
・穏やかだけど少しドキドキするようなそんな時間を感じました。いいなあ、そんな時間を過ごせるって…。何だかお酒飲みたくなるような句だなあと感じました。冷や酒なイメージです。(mekekeke)
・懐かしい人がどんな人なのかわかりませんが、秋で夜ですから、それはもうロマンチックな再会でしょうね。あるいは秋まで一気に読んで、そんなような夜だ、ということでしょうか。どちらにしてもロマンチックですが、後者のように読むと、そこに少し寂しさも混ざってくるような気もして好きです。(天坂 寝覚)
・四月頃から会う約束をしていながらお互い忙しくてなかなか果たせず、ようやく今の時期に久々の再開を果たしたような、そんな印象を受けました。(かもせり)

9.人の事 羨む我も 羨まれている 1 0・1
作者:なかぎり
○まろのゆき

・なんだかんだ言っても、自分だって、人にはない何かを持っているはず…と思いたい。(まろのゆき)

10.嫌いな人に嫌われた 6 1・4
作者:流川透明
◎mekekeke ○元気な人、可児、うぐいす、allex

・「う、うあああああああああああ(ごろんごろん)」と悶える感じがして、全然そんなことないのに何だか妙な敗北感を感じずにはいられませんでした(笑)お互い嫌ってるってなんだかんだ言ってお互い意識し合ってるってことですよね。誰かを嫌うのって結構エネルギーを要するように思うんですが、更に相手に嫌われたことも察しているこの方は、結構エネルギッシュな方のように感じました。(mekekeke)
・人間の不条理を端的に言い表してると思います。それ以上でもそれ以下でもない、という感じ。(元気な人)
・嫌いな人に嫌われるのは、なんか癪にさわるのです。言葉の外側にストーリーを感じさせる句だと思いました。(可児)
・嫌いな人なんだから、嫌われたって痛くもかゆくもないはず。でも内心は、嫌いな人にも好かれたい。自尊心の現れでしょうか。(うぐいす)
・大抵の場合、嫌いな人は相手も嫌っているものですが、改めて言われると何か残念に感じつつ、そうだなって思います。(allex)

11.歳も言えないのか人見知りの子 6 1・4
作者:畦道
◎ロケッ子 ○泉、まろのゆき、かもせり、なかぎり

・冷めた目線。あらあら恥ずかしくって何も言えないのねぇ、ほうらこのお菓子をあげましょうねぇといった優しさがまったく感じられない、大人の句。冷たくていい。(ロケッ子)
・俺も小さい頃人見知りだった(と親から聞いている)ので身につまされます。歳を答えるどころか指で歳を表すこともしなかったとか。言葉も遅く、両親は本気で「この子は馬鹿なんじゃないか」と心配したそうです。でも、大丈夫。今は何とか普通です。あまり神経過敏にならない方が良いですよ。(選評になってませんね、ごめんなさい)(泉)
・「そうは見えない」って言われるけど、自他共に認める人見知りだから、子の気持ちが痛いほどわかる…。(まろのゆき)
・女の子だったのでしょうか。女性に年齢を訊くなんて…と考えていたのかもしれません。人見知りを演じていることもあったり、子供はなかなか侮れないです。(かもせり)
・息苦しいほどの思いがあるのに、聞かれたことの答えは準備してあるのに、人にめんとむかえない子供。自分と重なる。(なかぎり)

12.憧れたのは人妻らしいさやえんどう 10 2・6
作者:かもせり
◎泉、京介 ○ロケッ子、ニレ、玉虫、うぐいす、allex、タケウマ

・「さやえんどう」を改めて画像検索しましたが、人妻成分は薄いように思いました。もしかして「遠藤沙耶」という名前の人妻なのかなあ。よく分からないなあ。不思議な御句だなあ。…でも、声に出して読んでみると、この御句が一番好きになっちゃったんですよね。不思議だなあ。でも、韻文なんだから、それが一番!(苦笑)(泉)
・「さやえんどう」は「えんどう」になるまえの未熟さを感じる。人妻は熟女ではない未熟女。未熟女の人妻に憧れたのだろう。若い人妻。もしかしたらかなり若いかもしれない。不倫でしかもロリコンとも言われかねないが「ただ憧れたことがあるだけ」と逃げられる。背徳的な行為に惹かれる気持ちをじつにマイルドに表現してる。(京介)
・さやえんどう相手に独り言なのか、あえて「人妻らしいさやえんどう」とみてもおもしろい。人妻のようなさやえんどう、憧れるにきまっている。(ロケッ子)
・触感が、つやつやひやっとした触感が、小説を読むようなスピードで伝わってきました。表現もすごく好きです。ただ、全体のグルーヴ感というか、リズム感というか、収まり方がちょっと私には心地良くなかったので、特選ではなく正選にさせて頂きました。ごめんなさい。(ニレ)
・可愛らしくもあり、隠微でもあり。さやえんどうが何かエッチなんですよ。このエッチ!いやらし可愛い句で大好きです。(玉虫)
・いつもスーパーで出会う女性。素敵だなあと思っていたら、ある日、さやえんどうを手に取ったその指を見ると、リングが…。さやえんどうが、人妻の凛とした美しさと、いささかの所帯臭さを表していると思います。(うぐいす)
・さやえんどうを家族にみたてたのでしょうね。隣のさやえんどうには、綺麗な人妻が居るのでしょうか?「惚れたのは、」にしなかったのは意味があるのか、聞いてみたいところです。(allex)
・「さやえんどう」の取り合わせにグッときました。人妻にグッときたわけではないんですよ。なんといっても「さやえんどう」です。お吸い物とかいいですよね。筋をとらなきゃいけない面倒くささもまたいい。「さやえんどう」の魅力に気づかされました。(タケウマ)

13.愛してる君の人参が小さい 11 3・5
作者:元気な人
◎フロヤマ、うぐいす、タケウマ ○mekekeke、ニレ、天坂寝覚、京介、可児

・受け手次第でシチュエーションが変化する句だと思います。私は愛する人が自分にたくさん食べてもらいたくて、長いほうの人参を取り分けたのだと受け取りました。ただ、人参嫌いな相手が、自分に長いほうを押し付けたと解釈するのも面白いです。何度も咀嚼して味わいたくなる句です。(フロヤマ)
・人参が嫌いな人なのでしょうか。愛する人に作ってもらった食事。うきうきと食べようとふと見ると、あれ、君より僕のほうが人参が大きい…おい、俺は人参が嫌いだって言っただろう…なんで小さい方をくれないんだよ…君のことは愛してる、だけど、そのへんの気遣いとかちょっと足りないんだよなあ…取り替えてくんないかなあ…みたいな心のつぶやきかと思いました。隠されたストーリーを想像するのがおもしろい句です。(うぐいす)
・「君の人参」がなんなのかをあれこれ考えるのが楽しい句でした。人参は暗喩なのか、それとも実物の小さい人参なのか。暗喩であるならば、なにを意味しているのか。実物ならば、どういう状態の人参なのか、畑の人参、料理に入っている人参、いろいろ考えられますよね。「君の」ですから所有物なのでしょうが、人参を所有していることの意味とは? 人参の大きい小さいの基準とは? 謎が謎を呼び収拾がつかなくなりました。結論は、二人でカレーを食べていて相手の皿の中の人参が小さく見えたという情景なんですが、それはそれで、すぐ消えていってしまう日常の一瞬を瞬間冷凍保存したようなせつなさがある気がしたのです。(タケウマ)
・何となーくしょんぼり感が漂ってるような感じがしました。そこが好きです。愛してる相手がいるだけでまずはいいじゃないか(遠い目) (mekekeke)
・一発目から何かしら得体の知れない余韻はやって来るのに、その後で「いったいこれはどういう意味なのだろう…」と考えることしばし。人参「は」ではなく、人参「が」小さいのだから、そこには多少がっかりした、小さな驚きと発見が混ざり合ったような感情が込められているような気がします。(ここにその想像した場面の数々を一旦書き連ねてみたのですが、そうすると文字数制限をあっという間にオーバーしてしまったのでカットしました)作者さんの本来の意図はともかく、いろんな想像をめぐらす作業は楽しいものですね。芯となる感情だけが共通している、全く重なることのない世界が幾つも連なって句の向こう側に見えるようです。(ニレ)
・作者が人参を好きなのか嫌いなのかで印象が変わってくる句で、できれば好きだと良いなあと思いながら読みました。人参が好きな作者に大きい方を渡す『君』に、愛を感じます。(天坂 寝覚)
・この句は下ネタかもしれない。人参が小さくても愛していると捉えると深い愛を感じる。またそのままストレートに人参が小さいのを見つけた瞬間なら、自分の大きな人参と取り替えてあげようとするのかも。自分にも人参があれば だけれども。(京介)
・ごめん。今夜は疲れてるんだ。(可児)

14.金が無い流しに人参が一本ある  12 5・2
作者:天坂 寝覚
◎ニレ、元気な人、流川透明、かもせり、なかぎり ○可児、シロマ

・1人暮らしをしていた頃のアパートの風景を思い出してしまいました。台所の蛍光灯は薄暗いし、冷蔵庫はよく冷えないし、財布は心許ないし…。なんともいえない孤独感と、それと背中合わせの位置にある根拠の無い吹っ切れた気持ち。こういう風景やら気持ちやらが呼び起こされる句というのは、理屈やら評論やらを全てすっとばして、直撃弾的にやはり好きです。(ニレ)
・「人参」を選択している時点できっと(僕同様に)性格が捻くれてる方だと思うのですが、人参の使い方はシンプルで上手いなと思いました。野菜本来の甘みがいきています。人参は希望でも絶望でもなんでもない日常。ただの変わらない日常。(元気な人)
・気休めな希望、「金が無い」感が出ていてよかったです。(流川透明)
・学生時代を思い起こさせられます。人参が「一本」あるのが良いです。一本取られました。(かもせり)
タムタムと流しに落ちる水道からのしずくの音を聴きながら、ぼんやりと西日射す台所にたたずむ一人暮らしの情景が浮かんできた。(なかぎり)
・1本の人参をどうやって食べたら、一番おなかがふくれるのでしょうか。細切りにしてマヨネーズつけましょうか。思案のしどころです。(可児)
・人参を置いたとき、べこんと流しがへこむ音がする。そのままその存在が固まったかのような、静寂、時間の堆積。(シロマ

15.夜道で名を呼ばれ 振り向くも人影はなし 1 0・1
作者:まろのゆき
○フロヤマ

・オカルト自由律俳句。大好きです。実際に、これと近い経験があります。背筋に冷たいものが走り、自分自身も走りました。(フロヤマ)

16.あの人のことは知らなくていい 3 0・3
作者:mekekeke
○畦道、フロヤマ、玉虫

・禁忌となっている身内。大人の世界の、暗い淵を覗き込む思い。(畦道)
・興味対象ではないのか、それとも気になるが故の拒絶なのか。知りすぎないことも、円滑な人間関係には必要なのかもしれないと思いました。(フロヤマ)
・背景とか何も知らないまま好きになる、みたいな感じがして、いいいいです。素のまま好きになる、みたいな。(玉虫)

17.百人の孤独 3 0・3
作者:可児
○泉、元気な人、allex

・もちろんガルシア=マルケスの「百年の孤独」からなのでしょうが、こういうノリというか勢いみたいなもの、俺、好きです。このタイトルで本当に百人の登場人物の「孤独」を描いたアンソロジーがあったら即買いしますね。数をこなすことによって見えてくる真実もあると思うのです。(泉)
・もし人間が一人きりなら孤独なんてものはないんですよね。二人いて三人いて、百人いて孤独が生まれる。人と出会って、初めて孤独を認識する。そんなことを考えさせられましたが、もう少し踏み込んで詠み手の感情が見えたら面白かったです。(元気な人)
・百人は寄せ集めだったり、何の縁もゆかりもない人の集まりなのでしょうか?どんな場面なのか想像させられて面白いです。(allex)

18.初めてのセックス 知らない人が死んだ日 10 3・4
作者:京介
◎天坂寝覚、玉虫、シロマ ○畦道、ロケッ子、うぐいす、なかぎり

・これがセックスでなく出産とかだとやたら重いんですが、この句は適度な重さに留まっています。実体験なんでしょうかね。当人にとっての大事と瑣事が並んでいるのですが、同時に生と死も並んでいる、すごい句だと思いました。あるいは後で思い出して、初めてのセックスもまた瑣事となっているのかもしれません。そんな時間経過も感じました。(天坂 寝覚)
・いいいです。人生って感じがします。それぞれの特別な一日。(玉虫)
・激情も下心も純粋も緊張もひっくるめて、虚しさが漂っている、この人、目の前の恋人(恋人ではないかもしれない)をまったく見ていないと思う。自分自身を、疑いとか、自己愛とかの目で見ている。殺伐としたなかにこの人のひたむきになりきれない難しさを感じる(シロマ
・自分が死ぬ日にも、世界中で初めてのセックスが。(畦道)
・誕生日ではなくて忌日でインプットされているなんて、後々この2人はいったいどんな別れ方をしたのだろう。(別れたこと前提!)(ロケッ子)
・初めてのセックスの高揚感と、喪失感、虚無感。生と死は裏表(あるいはイコール)なのかなと感じました。「死んだ」のが、「知っているだれか」だと、また受け取る感じが変わるだろうと思いました。(うぐいす)
・そしてボクが死ぬときにも、誰かが始めてのセックスをしているだろうし、誰かが生まれた瞬間なのだろうと思う。無限の広がりを見せる日常。改めて認識した。(なかぎり)

19.捕まった人にも生まれた日あり母があり 3 0・3
作者:ロケッ子
○流川透明、京介、なかぎり

・犯罪者の擁護(同じ人でしょ、みたいな)は好きではないが、ニュースの裏に泣いている近親者の存在を思い出させてくれるという意味で、いい句だと思いました。(流川透明)
・捕まった人は、なんらかの罪を犯した人なのだろう。人殺しかな? 人を殺しちゃったのかもしれない。きっと生まれたばかりの赤ん坊のときは無邪気であっただろう。人を殺める罪も我が子のしたことならば許す母もいるだろう。(京介)
・すべての出来事は、自分の身に降りかかっても、自分が巻き起こしても不思議はない。
常に思っていることを詠まれた。(なかぎり)

【結果】「学校」しばり

1.仰ぎみればブラジルの国旗に曇り空 1 0・1
作者:ロケッ子
○天坂寝覚

・なんでブラジルの国旗なのかと考えてしまいましたが、これは万国旗なんでしょうか。とすると運動会辺りですか。ブラジルの国旗が万国旗のどの辺りに位置するのかちょっと分からないですが、そこに曇り空を見つけてしまった、ちょっとした不安を感じました。雨、降らずに済んだならいいのですが。(天坂 寝覚)

2.先生に会いたくて受けなくても良い補習 3 0・3
作者:京介
○まろのゆき、流川透明、フロヤマ

・実際にはあまりないことかもしれないけど、女子的には憧れのシチュエーション!(まろのゆき)
・青春だなあ。解ってる問題も聞いたりして。(流川透明)
・こういう経験は無いのですが、補習って割と好きだった様な気がします。「〜しなくてもいいのに〜する」というのは、若さゆえの美徳とも愚かさとも取れ、その点をうまく捉えている句のように感じました。(フロヤマ)

3.下駄箱に何か期待している 11 3・5
作者:mekeke
◎畦道、流川透明、京介 ○ロケッ子、泉、フロヤマ、玉虫、allex

・これは覚えがある。何か入っていたためしはないけれど。(畦道)
・自分の下駄箱に何か入っているか期待するのもあるでしょうし、早く来てしまってあの人も来ているかチェックしてしまう事もあるでしょうし。(流川透明)
・ラブレターが入ってたり、バレンタインにはチョコが入ってたりと下駄箱あけたらそこから始まる青春ストーリーがある。そういうストーリーが始まれば良いのにと男子なら誰もが妄想したことあるはず。下駄箱に期待したままなにもなく卒業・・・ 甘酸っぱい。(京介)
・この句を目にしたとたん、頭の中で「チョッコレイトディスコ! チョッコレイトディスコ!」がエンドレス。自分は女でよかったと何度も思った。期待していることを悟られない顔はたぶんできない。(ロケッ子)
・そう、学校の下駄箱って「メールボックス」の役目も果たすんですよね。手紙が入っていたり、プレゼントが入っていたり。バレンタインデーやホワイトデー、自分の誕生日、…折にふれ期待してしまいます、下駄箱には。青春の少し甘酸っぱくも懐かしい感情です。(泉)
・バレンタインの時などは特にこういう気持ちになった覚えがあります。若さゆえの自意識を見事に捉えているように感じました。(フロヤマ)
・会えるかな〜、会えないかな〜、手紙…入れちゃおうかな…みたいな。下駄箱といえば胸キュン。下駄箱なのに夢が広がる青春時代。(玉虫)
・よくある話ですね。ラブレターだったり、プレゼントが届いていないか毎日期待しているのでしょうか。もう少し謎めくと面白いと思います。(allex)

4.みんな戻れない教室に置いて来た 14 3・8
作者:天坂 寝覚
◎可児、フロヤマ、シロマ ○ロケッ子、ニレ、元気な人、流川透明、かもせり、うぐいす、allex、タケウマ

・卒業したら戻ることのできない教室に置いて来たもの。心当たりはあるはず。私にも、あなたにも。自由律ならではの物語ですね。(可児)
・置いてきたものはなんだったろうか? などと、少しセンチな気持ちになりました。「忘れた」ではなく「置いて来た」としたところが未練がましくなく、思い出は思い出として過去をしっかりと見据えているように感じました。(フロヤマ)
・卒業式の教室。掃除して、私物がなくなって、かけなおしたワックスの匂いなんかもして、よそよそしいほど小奇麗な、もう自分たちのものではない教室。もう戻っちゃいけない教室。(シロマ
・「みんな」が二通り考えられる。自分の他に彼も彼女も、の「みんな」か、everythingの「みんな」なのか。どっちにしても切ない。しかし、置いてきた分、何か新しいものを手に入れたと思う。(ロケッ子)
・特選にしようか最後まで悩みました。ノスタルジー色の、ど真ん中で強い句ではあるのだけれど、どうにも線路を周到に引いたその上に書かれたもののような匂いがしてしまって、最終的に正選にさせていただきました。でも、好きな句であることには違いありません。自分が教室の中に居る場面ではなく、廊下から教室を眺めている風景が浮かんできました。(ニレ)
・ちょっと曖昧さが過ぎている気もしますが、そこが面白いところなのかな。幾通りにも取れる書き方も。学生生活での焦燥と言うよりは、学生時代への追憶という印象が強かったです。もう少し断定した上で広がりがあればもっと良いかなあと思いました(元気な人)
・幾様にも意味が取れて、想像の余地が広いいい句だと思います。移動教室の忘れものか、戻れないあの頃に置いてきてしまったものか。(流川透明)
・「みんな」はすべてのものを置いてきたという意味にも、あるいは誰もがという意味にも読めますがどちらの解釈も捨てがたい。実際、教室に置いていった有形無形のいろいろ、誰にでもありますよね、きっと。(かもせり)
・この「みんな」は「皆さん」ではなくて「全部」という意味にとりました。学生時代のすべて(それは青春とかいうやつ?)を捨てて、0からの出発。大人の階段を上ろうとしているのでしょうか。(うぐいす)
・何か記憶とか持ち物なのでしょうか、そういった類のもの全てを置いてきたのか、それとも誰も戻ることが出来ない教室、つまり過去に置いてきたのか解釈が分かれて面白いと思います。(allex)
・なんとなく同じ作者の句を選んでいるような気がします(笑)。よくわかんない句ですよね♪ なんで戻れないのか? なんで置いてきたのか? みんなってなによ? わからないことだらけです。でも、学校に通っていた頃から時を経て感じる喪失感のようなものは、明確な言葉の並びでは表現しえない曖昧模糊としたもののような気がボクもするのです。(タケウマ)

5.掃除当番だけ一緒という掃いて捨てる話 2 0・2
作者:かもせり
○玉虫、シロマ

・この距離感!シャイで可愛いな〜。いいねいいね、あちらは覚えてもいない可能性大だけど、自分には大事な思い出。(玉虫)
・実は自分のなかですごく大事なこと、そんな自分への少しの嫌悪感、誰か笑い飛ばしてくれたらいいのに。青春です。(シロマ

6.虹が出て授業中断 13 1・11
作者:流川透明
◎泉 ○畦道、ロケッ子、mekekeke、元気な人、まろのゆき、京介、可児、玉虫、allex、なかぎり、タケウマ
・情景が目に浮かぶようです。授業中、ふと外を見た窓際の生徒が声をあげる。「あ、虹だ!」その声を合図に「え、何?何?」「虹でてる!」と他の生徒も窓に駆け寄る。先生までも授業をやめて「おお、虹かあ」なんて言いながら寄ってくる。…そんな、のんびりした過去の一コマ。屈託がなく希望と喜びだけがあった時間。(泉)
・のんびりした雰囲気がいい。(畦道)
・最初に虹を見つけた人の大手柄。教室から見える虹、そういう景色って結構心に残る。第一発見者は、授業に集中していない生徒ではなく、案外先生なのかもしれない。(ロケッ子)
・爽やか!キラキラして少しこそばゆくもある。ものすごい雷や土砂降りや吹雪でも同様に授業が中断したり(笑)窓際によって空を見ながらやんややんや言うのはなんだか面白かった。そんな大したことでもなかったのに。(mekekeke)
・虹の持つ力ってのはやっぱりすごい。きっと気付いたのは生徒の一人なんでしょうけど、先生も思わず見てしまいますからね。雨や風や雷と同じ自然現象なんですけど。やっぱり虹は強い。そして学生によく似合う。(元気な人)
・経験あり。特に10代の頃って、虹に対するテンションがすごい。(まろのゆき)
・場面は小学校だろうと思う。窓の外に架かった虹を見つけて騒ぐ生徒。そのときは国語や算数の授業だったかもしれないけれど、先生は理科の知識にも繋がるから虹鑑賞も良いだろうと判断。みんなで虹を見ようということになって、クラス全員で虹を観る。そんなほのぼのとした光景が想像できました。(京介)
・最初に虹を見つける子はえらいよね。(可児)
・映画のように光景が目に浮かびますね。授業中断して一緒に虹を眺めてくれる先生は、きっといい先生ですね。(玉虫)
・よっぽど綺麗な見事な虹だったのでしょうね。授業を中断せざるを得ないほどの光景だったのだと想います。もう少し謎めくと面白いと思います。(allex)
・つまらない授業に、思いがけない小さなイベント。つまらないことばかり言う教師も、人らしい顔になって窓の外を眺める。(なかぎり)
・一つぐらいはと、句意明瞭な句を選びました。歓声が聞こえます。正しくよいです。(タケウマ)

7.学生服の群れ季節はずれのゴキブリホイホイ
作者:フロヤマ

8.廃校の校長室 引き出しに義眼ひっそり 8 2・4
作者:泉
◎玉虫、タケウマ ○京介、うぐいす、なかぎり、シロマ

・ほんのりと怖さが漂いつつ、せつなさに胸が痛む。義眼の校長は今はどこで何をしているのか。生きているのか死んでいるのか。何を思って義眼を引き出しにしまったのか。静かな物語性に惹かれました。(玉虫)
・最後の卒業生を送り出した後も、建物も机や椅子もそのまま放置されている廃校なのでしょう。その校長室の引き出しに義眼がひっそりと置かれているのですね。校長先生の義眼なのでしょうか? 新しい義眼を誂えたからいらなくなったのでしょうか? そんなどうでもいいことはさておき、持ち主は見ることができなかった光景をその義眼は記憶として留めているのではないでしょうか。何十年か後、引き出しを開けた人は、義眼がかつての学校の様子を映し出す光景を目にする、そんな気がしてならないのです。(タケウマ)
・廃校になる前の校長は義眼の人だったのだろうか?!引き出しにはスペアの義眼を入れていたのか。誰かが廃校を訪れた時に引き出しを開けたら、ゴロリと転がり出てくる義眼がホラーみたいで面白い。ギャーーーという悲鳴が聞こえてきそう。(京介)
・校長先生は、ずっと子ども達を「見て」いたんだろうな。廃校になって、きっと校長も退職して、もう「見る」仕事は終わった。役目を終えた義眼は、もう必要の無いもの。けれど、ここで「見て」いた証。(うぐいす)
・幾多のものを見てきた「見えない眼」が、今日も引き出しの中をころころと転がっては、誰かが来るのを待っている。そして、また日付をまたいで、一日が終わる。(なかぎり)
・校長先生のもう誰も知ることのない秘密、ひっそりと守られていく(シロマ

9.無口な人が黒板に日本地図描いて夏 3 1・1
作者:シロマ
◎なかぎり ○元気な人

・普段目立たずにひっそりとしている級友が、ただ一心に、でも不器用に黒板に日本地図を描いている後姿。きっと描き終わったら、はにかみながら少し微笑む。額には汗。その情景に引かれる。(なかぎり)
・なんか面白いですね。授業で書いたのか、休み時間に書いたのか、夏だからか。やっぱりよくわかりませんが、無口な人はいかにも日本地図を書きそうで、すんなりと入って来ました。(元気な人)

10.ためいきを眺めては青空の四角 9 3・3
作者:ニレ
◎元気な人、かもせり、allex ○泉、可児、タケウマ

・退屈な学校生活。ふと出たため息を目で追うと、明るく無限に拡がる青空。でもやっぱりそこは学校で、青空さえも限定された四角でしかない。どうしようもない遣る瀬無い十代のありふれた鬱憤が溜まったいい句だなあと思いました。(元気な人)
・教室から見る景色はいつも輝いていました。教室の窓のこちら側とあちら側。窓の外にあるのは卒業したあとに飛び込む世界の一端だったということに、卒業してから気づきました。(かもせり)
・授業中、ぼんやりと講義をきかずに窓を眺めているのでしょうか。窓のサンに青空がはまるということは、きっと机に頭を乗せて授業は全く聞いていないでしょうね。自分のため息を眺めるとは面白い表現です。(allex)
・「ためいきをついて」ではなく「ためいきを眺めて」、「四角い青空」ではなく「青空の四角」、としたところに作者のより深く身に染み込んだ「絶望」を感じます。ため息をつく自分を突き放し、既に空自体が行き場なし出口なしに「四角い」状況。やり切れません。(泉)
・教室から眺める空は、いつも真っ青だった気がします。(可児)
・なにがあったか知りませんが、黒板ではないほうを向いてためいきをついたら、教室の窓から四角く切り取られた青空が見えたということでしょうか。この読みは、「学校」しばりという限定があってこそのもの。例えば刑務所で詠んだ句でもいいんじゃね、なんて思ったりもしましたが、刑務所の鉄格子越しに見える空は青空じゃないでしょうね。そう、教室の窓から見える空は青空でなくてはなりません。(タケウマ)

11.渡り廊下の鈴寂しげに風に泣く
作者:allex

12.理科室で唱えてならぬ呪文あり 5 1・3
作者:タケウマ
◎うぐいす ○畦道、天坂寝覚、可児

・小学生くらいのときって、わけのわからないルールがあるんですよね。学校という小さな世界がほぼすべてだった頃、一番怖いのは、くだらないと思いつつもそのルールを破ってしまうことでした。でも本当は破ってみたい。それは、「ヒーロー」になる可能性を秘めているから。できないんだけど。(うぐいす)
・学校の七不思議。理科室の人体模型が動き出す。(畦道)
・理科室で唱えてはいけない呪文とはなんなんでしょうか。呪文となるとメラとかそんなんしか出てこないんですが、もしかしたら先生の悪口でしょうか。どこでもダメな気がしますが特に理科室と言うからには、理科の先生が特別おっかないんですかね。(天坂 寝覚)
・三角フラスコから出ている白い煙を吸い込んではいけませんよ。(可児)

13.少し伸びた坊主笑いあって夏は終わる 7 2・3
作者:うぐいす
◎まろのゆき、天坂寝覚 ○畦道、ニレ、フロヤマ

・野球に全力を注いで、一生の思い出に残る青春の一ページを心に刻んだ様が素敵。(まろのゆき)
・高校球児でしょうか。笑い合えるのはきっと、勝って終わったにせよ負けて終わったにせよ、お互いに全力で取り組んでいたことを知っているからなんでしょうね。うらやましい青春です。(天坂 寝覚)
・三年生が部活を引退する夏の終わり。笑いあって、がいい。(畦道)
・私が卒業した中学は、男子生徒は全員坊主頭という校則がありました(今は改正されたようですが)。底抜けに快活だったあの頃の夏を思い出してしまいました。(ニレ)
・私は野球部ではなかったのですが、こういった経験があります。ほんの少しの安堵感とほんの少しの寂しさ。ほろ苦い感じがします。(フロヤマ)

14.立ち寄れば無人の母校カンナのみ燃ゆ 2 0・2
作者:玉虫
○泉、うぐいす

・学校って、嫌な記憶も多いけど、時間がそれなりに経てばやはり懐かしいものだと思います。俺も卒業した小中学校の前を通ると思わず覗き込んでしまいます。だけど今は夏休み。誰もいなかったんですね。ただカンナだけが迎えてくれた。その燃えるような赤は当時の記憶を象徴しているかのよう。お前は確かにここにいたんだよと証明してくれているかのよう。人が生きていくにはそうした「ポイント」が必要なのでしょう。(泉)
・さっきまで部活やってたんです、きっと。その熱の名残が、真っ赤なカンナなんです。自分は確かにここにいた。でも今はここの人間ではない。そんな寂しさがあります。(うぐいす)

15.思い出したくもない学校給食脱脂粉乳 3 1・1
作者:なかぎり
◎mekekeke ○かもせり

・学校と言えば給食ですよね…。どの世代にも思い出したくもないトラウマメニューって一つ二つあるなあとあれこれ思い出しました。私の場合は「今日の献立はブラジル料理です!」と銘打って出された「豆達とさつまいもをケチャップで煮たもの」がそれです。もう絶対食べたくないなあと未だに思います。近頃はお洒落なメニューが多いと聞いてそんなの給食じゃない!と感じました。完食しないといけない辛さを思い出しました。(mekekeke)
脱脂粉乳世代ではないので実感はないですが、感覚に染み込んでしまって忘れられないものなのでしょう。最近国内で生産されているのはそれほど不味くないらしいですが、かといって飲む機会もないですよね。(かもせり)

16.鳴らなければいいのに運動会の花火 5 0・5
作者:畦道
○mekekeke、まろのゆき、流川透明、かもせり、なかぎり

・運動会と聞くと元気な楽しげなイメージですが、誰しもが運動会を楽しみにしてるわけではないんですよね。今日明日と土砂降りになればいいのに!と本気で雨乞いをした日々が懐かしいです。一年で一番重苦しい朝を思い出しました(笑) (mekekeke)
・小学校時代の運動会は楽しかったのに…中学校の運動会ほど迷惑なものはない。(まろのゆき)
・運動会が楽しみな子供ばかりじゃないんですよねえ……。(流川透明)
・雨降らないかなぁとか思うことありますね。でも運動会はみんな楽しみにしている行事なのでなかなか口に出しては言えない。そしてあきらめにも似た気持ちで登校するのでしょう。(かもせり)
・集団行動が苦手なボクは学校行事を好まず、特に埃っぽくガサガサした運動会が大嫌い。忌々しいほど大きな音で鳴る「運動会決行」の花火は恨めしかった。(なかぎり)

17.あの子が見える黒板が見えない 6 2・2
作者:元気な人
◎ロケッ子、ニレ ○京介、天坂寝覚

・「あの子」の背中が想像できる。あの子が見えるということは、黒板が見えるよりも大事なことなのだろう。座高の高いあの子のせいで黒板が見えないよって話だったら、さっさと席を変わってもらおう。(ロケッ子)
・中学校の教室にタイムスリップしたような気持ちになりました。彼は後ろの方の席なんでしょうね。あの頃は授業中にどんな風景が目の前に広がっているかというのがたいそう重要な問題でしたよね。(ニレ)
・クラスで席替えなんかをしたのだろう。新しい席では黒板が見えない。けれど、「あの子」が見える。とても可愛いあの子が見える。黒板が見えないことを公言してしまったら席を変更されるかもしれない。黒板が見える位置だと「あの子」が見えなくなるかもしれない。
葛藤。そんな葛藤がステキ。甘酸っぱい。(京介)
・席替えをしろと言いたくなりますが、そういうことでは無いでしょうね。授業中もついあの子ばかり見てしまう、と。気持ちは分かりますが、授業もちゃんと受けましょう。(天坂 寝覚)

18.夕暮れの校庭 風に蜩の声が舞う 1 0・1
作者:まろのゆき
○ニレ

・「蜩」が読めなくてちょっと調べてしまいました。「ひぐらし」なんですね。初めて知りました。とても叙情的な句ですね。それに「ひぐらし」が「虫」に「周」と書くというのもグラウンドの風景に重ね合わせるにはこれ以上無いほどにとても似つかわしくって、偶然が演出した映画みたいな風景に思いがけず出くわした時のようなうっとりとした気持ちにしばし浸ることができました。(ニレ)

19.帰りに毎日プリントを届けてくれる女子との距離 2 0・2
作者:可児
○mekekeke、シロマ

・「女子」!!!女子と言う響きが学生だなあって感じました。近頃は「大人女子」とか色々女子と言う言葉を耳にしますがやっぱり学校に通う女子が一番「女子」だと個人的には思います。プリントを貰う側は恐らく男子?微妙な距離感にあれこれ妄想が膨らみます。(mekekeke)
・うぶです。かわいい。プリント渡す女の子の表情をつい盗み見てしまう。(シロマ

【結果】雑詠

1.千本のノックは守備の猛練習 1 0・1
作者:可児
○畦道
・挨拶句に一点献上。(畦道)

2.自分以外はかぼちゃばかりのタイムライン 5 1・3
作者:ロケッ子
シロマ ○天坂寝覚、流川透明、可児

・この思い切りのよさというか、野放図な自信がたまらない!不思議と誰かへの応援にもなりうると思う。活力にあふれている。(シロマ
・舞台なり何なりで、客は皆かぼちゃと思え、という話は聞いたことがありますが、作者の方はTLを流れる方々をそう見ているんでしょうか。いや、もしかしたらハロウィンの時期で、アイコンが皆かぼちゃだった、ということなのかもしれませんが。(天坂 寝覚)
・デジタルに溢れる季節感。「かぼちゃばかりのタイムライン」だけでも、本人の驚きは届くので、「自分以外は」は省略してもいいかもと思いました。(流川透明)
・タイムラインを眺めていても、何も頭に入ってこないときってありますよね。もう、みんなかぼちゃになってしまえばいいのに。(可児)

3.ガソリンを入れるタイミング 価格によりけり
作者:まろのゆき

4.生まれ変わったらいっしょになる予定の男が何人もいる 3 0・3
作者:京介
○天坂寝覚、うぐいす、なかぎり

・不実、とは言い切れないですよね。その時その時、常に相手に全力を傾ける恋愛だったのかもしれません。いわゆる尽くす女というか。だから何人もいるんでしょうか。ただのモテる女性の自慢でも構わないですが、それだとちょっとヤダなあ。(天坂 寝覚)
・これ、既婚者の句ですね。今の夫じゃなくて、あの人だったら、この人だったら、という妄想。うふふ、楽しい…。(うぐいす)
・来世でね、と明るく言われた子と、お互いにズブズブになった事を思い出した。その後も懲りずに何度かそんな間違いを犯した。だから今生での約束はもうしない。(なかぎり)

5.花火の空だ飛行機が浮いてく 1 0・1
作者:元気な人
○かもせり

・夜のディズニーランドを思い浮かべました。夜の花火の後ろで羽田から離陸した飛行機が上昇していて、花火に押されて「浮いてく」ように見えることがあります。(かもせり)

6.出なかったくしゃみに恨み 2 0・2
作者:mekeke
○泉、allex

・あー、こういう時ありますよね。花粉症の俺にはよく分かります。くしゃみって基本嫌なものですが、した後一抹の清涼感?というか達成感?というか、そうした感覚が残るのも事実。それらが無かった時の不快感だけの結末。はっきりしろよ、自分!と言いたくなるようなやり切れなさ。大袈裟かもしれないけど、ある!ある!(泉)
・出そうで出ないくしゃみ、ありますよね。でも恨むほどではないので、何かと重なっているのか、くしゃみが出ないことも、その理由にして恨みが増しているのでしょうね。(allex)

7.アイスは百円のでいい 4 0・4
作者:畦道
○まろのゆき、流川透明、可児、玉虫

・リッチなアイスより、安くても美味しいアイスはたくさんあるのです。(まろのゆき)
・遠慮深いのか、百円のでも楽しめるタイプなのか。(私は両方かも。笑)(流川透明)
・そのとおり!(可児)
・分かる。オラもハーゲンダッツよりスーパーカップのが好きだよwww ハーゲンダッツは胸焼けするんだよ。でもレディボーデンは神。レディボーデン>スーパーカップハーゲンダッツですね。個人的には。(玉虫)

8.林檎剥いてくれる手が金の話ばかりする 16 5・6
作者:天坂 寝覚
◎ロケッ子、泉、元気な人、かもせり、うぐいす ○ニレ、京介、フロヤマ、allex、なかぎり、タケウマ

・剥いて「くれる」がいい。優しさを感じさせつつ、金の話。しかし、この人を嫌いにはなれない。(ロケッ子)
・林檎を剥いているのは女性でしょうか。話し声が聞こえなければとても愛情あふれた平和で穏やかな風景。だけど、実際はこんな時耳にしたくないお金の話。なんとも皮肉で、しかしどこかユーモラスな感じもします。まあ人生こんなもんかな、という作者のため息が聞こえてきそうです。(泉)
・なんとも複雑な心情ですね。剥いて「くれる」という言い方に、まだ少しばかりの相手への信頼が見受けられるような。まあ金の話ってのは面と向かってされても気持ちのいいもんじゃないでしょう。思い切り飛躍させてハードボイルドな展開にしてみても面白い句。(元気な人)
・金の話は相手を選ぶ話題だと思います。林檎を剥いている人はその話をできる相手が作者しかいなくて結果的に金の話ばかりになってしまう。もちろん話する側はその自覚はないでしょうが、長いこと言えなかったことを吐き出して少し楽になっているのかもしれません。(かもせり)
・林檎を剥いてもらう=入院中のイメージ。きっと奥さんが入院中の旦那さんに林檎を剥きながら、治療費入院費通院費保険年金…そんな話をしてるのかな。俺の体のことほんとに心配してんの?って旦那さんがつぶやきそう。女はたくましいな、という句だと思いました。(うぐいす)
・良いですね。この風景。滲み出てくる「長年連れ添った感」が最高です。うんざりしつつ、でも別れないんだろうなぁ、なんて勝手な想像。(ニレ)
・入院中のベットが思い浮かんだ。林檎剥いてくれてるのは見舞い客だろう。この客は、ベットの上の患者が亡くなっても金の話ばかりするのだろう。「不謹慎」と言われながらも。金の話ばかりするのなら見舞いになど来て欲しくない。うんざりした気持ちがよくわかる。(京介)
・リンゴを剥いてくれることには感謝しつつも、金の話には閉口してしまう。そんな入院している人を思い起こしました。リンゴを“林檎”と漢字表記したところにも趣が感じられます。(フロヤマ)
・この句、好きです。韻律が軽快になっていたら特選にしました。手が話しをするとは面白い表現です。魂胆が伝わってしまうのでしょうね。面白いです。(allex)
・手の動きは、規則正しく冷静で、シャリシャリシャリシャリ皮を剥く。こちらに眼を向けずに、手元ばかり見て本来の目的の話しばかりをする。剥き終わったらきっとこちらを見るに違いない。応えなければならない。永遠に剥き続けてほしい。(なかぎり)
・ままならないものですね。でも、その林檎が意外と美味しかったりするんですよね、なぜか♪(タケウマ)

9.夏と秋とのグラデーションが始まる朝と夜 3 1・1
作者:なかぎり
◎まろのゆき ○フロヤマ

・賑やかな夏から、切なげな秋に変わりゆく時季が自分の中では一番好きだから。(まろのゆき)
・ちょうど今朝はそんな感じでした。グラデーションの比率が、これから少しずつ変わっていくことも捉えてあるかに感じました。(フロヤマ)

10.またエッチなこと考えてたでしょ台風情報 8 1・6
作者:かもせり
◎タケウマ ○畦道、泉、まろのゆき、可児、玉虫、シロマ

・図星です♪ なんたって台風がくるんですから、普段考えているようなことはどうでもよくなっちゃいますよね。こんなときにエッチなことを考えないなんてダメダメです♪(タケウマ)
・渦を巻く天気図までが艶めかしい夏の夜。(畦道)
・俺、台風の時ってけっこうテンション上がるんですよね。やらなくてもいいような荷作りしたり懐中電灯の電池替えたり。その勢いでエッチなこと考えちゃったり実際事に及んじゃったりすることもあるのでしょうね(俺はないです)。あ、なんか楽しいワクワクする、台風情報(笑)(泉)
・機会があったら相方に言ってみたい。(まろのゆき)
・ごめんなさい。(可児)
・いいいですね。可愛らしいふたりが目に浮かびます。嵐の音を聞きながらおセックスするがいい!リア充の川流れ強く希望。(玉虫)
・男女が部屋でひっそりとしている光景が浮かびます。台風が来て閉じ込められる。映画『台風クラブ』がそうですが、台風は人をヘンにしてしまう力があるとしか思えない(シロマ

11.きちきちを追って晩夏の野に迷い 3 0・3
作者:玉虫
○ニレ、うぐいす、allex

・読んだ瞬間に、ハードカバー版の「君は永遠にそいつらより若い」の装丁写真を思い浮かべてしまいました。今の一瞬と、過去からここまでの長い時間と、この先の非永遠性を3つ重ね合わせて光に透かしたような句だなぁ、と感じました。(ニレ)
・これ、子どもかなあ、大人かなあ、と考えました。夢中になるとそれしか見えなくなるのですよね。振り返ったら、こんな遠くまで来ちゃった…という、心細い気持ち。人生にも重ね合わせたりして。(うぐいす)
・きちきちを捕まえに野原で遊んでいるのでしょうか。晩夏のこの季節、夏に別れを告げることが出来ない季節が迷っているのか、夏に別れが出来ない自分が迷っているのか解釈が面白いです。(allex)

12.空に飛んだのは色鬼が青と言ったから 8 1・6
作者:流川透明
◎畦道 ○ロケッ子、天坂寝覚、京介、うぐいす、なかぎり、タケウマ

・どことなく不気味。赤といったら火に飛び込む。(畦道)
・おもしろい。「なんで空に飛んだの?」「そこに空があったから」じゃつまらないですもんね。ここでの「空に飛ぶ」がどうか明るい話でありますように。(ロケッ子)
・色鬼ってまた懐かしい。そう言えば身の周りに、青と言われて思いつくものはそうそうないですね。信号、と思いましたがあれは緑でした。果たして触れられたのかは怪しいですが、「空に触ってたからセーフだもんね!」という声が聞こえてくる気がします。(天坂 寝覚)
・「色鬼」、なつかしい! 小学生の低学年ぐらいの頃、色鬼で遊びました。もし空を飛べたら、青に触れなくても鬼に捕まらないと思う。空の青に触れたくて飛ぶ。飛びたい思いも感じられる。おもしろい。(京介)
・初めはトンボのことかなと思ったけど、これ、人間の子どもかなあ。なんとなく死を感じさせる句のような気がします。(うぐいす)
・カメラアングルは、手を空に伸ばしてジャンプする子をしたからあおる。そんな感じの躍動感!(なかぎり)
・最初、色鬼の意味がわかりませんでした。ググって納得。手を伸ばして空へ飛ぶ子どもの姿が浮んできました。美しい♪ (タケウマ)

13.今日も君の町へ行かないバスに乗る 12 2・8
作者:うぐいす
◎ニレ、なかぎり ○畦道、ロケッ子、mekekeke、流川透明、玉虫、フロヤマ、タケウマ、シロマ

・今回のすべての句の中でいちばん好きです。斉藤和義の「月影」とか、チャットモンチーの「バスロマンス」とか、君の町へ「行く」バスの歌は数あれど、君の町へ「行かない」バスの歌でこんなにも感情が膨らむとは思いもしませんでした。これは…しずかにしずかに眠り揺れている思いをゼリーやプリンのようにゆるゆると形にした句のような気がします。(ニレ)
・君の元にいけないとわかっていながら、無表情に乗る。いつか、このバスに乗らずに君のいる町に行くバスに乗る、そう思いつつ、明日も無表情でこのバスに乗る。(なかぎり)
・忘れよう、意識するのはやめようと思ってもできない感じがよく表れている。(畦道)
・「行かない」ことでほっとしているような、そんな様子もうかがえる。(ロケッ子)
・君の町へ行かないのに君に会えたら本当に好きになっちゃいますね。(mekekeke)
・残念な日常。心だけが飛んで行く。(流川透明)
・別れてだいぶたつんかな〜。好きな人のいた街はいつまでも懐かしいよね。もう会えないかもしれないけど、たまにブラつくのはいいんじゃない。行って来なされ!!あの街へ!!(玉虫)
・想いは“君”の元にあるのにも関らず、体は“君”の元から離れていく。想いと現実とのギャップが切なく、ただただ好きな句です。(フロヤマ)
・「行かないバス」が上手いと思いました。いつか君の町へ行くバスに乗る日がくるといいですね。(タケウマ)
・いつの間にやら、このバスに乗ることが「君」を想うきっかけになってしまった。誰にでもある形の、まぎれもなく別れの唄だと思う(シロマ

14.帰省をしても祖母はいない 7 2・3
作者:フロヤマ
◎流川透明、可児 ○mekekeke、かもせり、シロマ

・うるっと来ました。(流川透明)
・おばあちゃんが作ってくれたずんだもち、おいしかったんだよなあ。寂しいような切ないような、良い句だと思いました。(可児)
・しんみりする感じかな、とも思いましたがもしかしたら物凄いアクティブなおばあちゃんなのかも!?と思いました。帰る度にいないおばあちゃんっていいですね(笑)(mekekeke)
・「いる」「存在する」とはどういうことなのだろうと考えさせられました。この句を見ると「それでもおばあちゃんはいるんだよ」とか言いたくなってしまう、では「いる」とはどういうことなのか。どうしてそんなこと言いたくなってしまうのだろう。(かもせり)
・不在だけが色濃く。今年祖母が亡くなりました。葬式が終わり故郷を離れるとき、次に帰るときはきっといつもどおりの景色なのに、どこか遠いものに感じるのだろうと確信がありました。不変に思えた祖母の存在が崩されて、時の存在を突きつけられました(シロマ

15.夕空いつまでもてのひらの上 6 2・2
作者:タケウマ
◎天坂寝覚、allex ○泉、元気な人

・夕空が写真か何かであれば、何か忘れられない思い出があるのかな、といった感じですが、果たして。もしかしたら、てのひらの上即ち相手の一挙一動に一喜一憂している、ということなのかもしれません。その上で夕空なら帰り道なんでしょうかね。それはそれでほほえましいです。(天坂 寝覚)
・電車の中でしょうか、コンパクトを開いて化粧をしていたら、綺麗な夕空が広がっているのでしょう。全て手のひらに収めていることに喜びを感じたのでしょうか。光景が謎めいていて面白いです。(allex)
・美しい御句です。夕空をいつまでも自分の手の上で反芻していたい。それほど素敵な夕焼けだったのか、夕焼けとともに今日あった出来事を回想していたいのか、あるいは逆に頭の中は真っ白なのか。いずれにしろ自己と自然に矛盾のない満ち足りた時間。素敵です。(泉)
・「夕空」っていう強いワードに負けてない、自由律俳句らしい句だと思います。僕は寂寥の思いが立ち込めました。(元気な人)

16.臍ピアスしたまま帰らぬ人となった 7 2・3
作者:泉
◎京介、玉虫 ○mekekeke、ニレ、元気な人

・オシャレでカッコイイ臍ピアス。そんな生き生きとしてこそ輝く臍ピアスがあるだけに「死」が余計に強く感じられました。(京介)
・何か好きだ。切ない、、、やんちゃなアイツは早めに逝ってしまったのですね…合掌、南無阿弥陀仏。(玉虫)
・臍ピアスが原因で親族間で揉めて去って行ったのか、そんなキャラじゃなかったのに冒険してみちゃった日に偶然そうなってしまったのか、色々想像しますがどれも何となく笑ってしまいます。(mekekeke)
・まさかの突然訪れた悲しい別れをほろ苦く薄味にまとめていて作者さんの底知れぬ技量を感じました。すごい人が居るもんだなあ、と。(ニレ)
・なんだか無性に心に残りました。「帰らぬ人」の意味するところが醍醐味でしょうが、意味なんてどうでもよくただ胸に響きました。多分僕には作れないから。(元気な人)

17.蝉が影にしがみついている 4 1・2
作者:allex
◎フロヤマ ○ロケッ子、かもせり

・“死の影”を思わせながらも、しがみつくことで生への執着が感じられます。土から出てきてからの蝉の短い生き様を捉えており、我が身にも置き換えることができるように思いました。(フロヤマ)
・何の影なんだろう。蝉自身か、それとも人影か木陰か。なんにしろ、どこかにとまっている蝉を見て、こういう表現をしているのがおもしろいなぁ、と。(ロケッ子)
・最初「すがる女を振り解く」的な光景を思い浮かべました。「影」は作者の影なのでしょうか。なぜ蝉は羽根があって飛ぶことも出来るのにいつも必死にしがみついているのだろうと子供の頃思っていました。蝉にしてみれば別に「必死」ではないのかもしれませんが。(かもせり)

18.ブリーフ穿いてそうなイケメン 3 1・1
作者:シロマ
◎mekekeke ○まろのゆき

・笑いました〜。個人的にブリーフは響き的に「イケメン」よりも「男前」と結びつきそうなイメージです(笑)ブリーフ派ってまだいるんでしょうかね…。パンツ一枚で人格をあれこれ想像してしまう自分が嫌です(笑)(mekekeke)
・吹いたww(まろのゆき)

19.古新聞に巻かれ捨てられた青い色のロープ 2 0・2
作者:ニレ
○元気な人、京介

・視点の面白さなんですけど、なんだか共感できるんですよね。青い色ってのが抜群だと思います。(元気な人)
・青い色のロープは古新聞に巻かないと捨てられないものだったのだろうか??古新聞に巻くものというのは割れたコップや電球や人の目に触れたくないもの。この場合、人の目に触れたくないものであろう。青いロープ、なにやらよくないことに使われたように思う。凶器だったのかもしれない。そんなサスペンスやミステリーの世界が広がる面白い句ですね。(京介)